Burger King: ”Impossible Whopper”(plant-based burger)の試売順調で、全米展開計画

Burger Kingは、セントルイス59店舗での“Impossible Whopper”の試売は非常に順調に推移し、有望な結果。近々、市場拡大してのテストを計画。2019年末には全米でのImpossible Whopper発売を目指すとのこと。

Burger Kingの試売に続いて、Red Robin、White Castle がImpossible Foods製品を発売することや、Del Taco , A&W, Carl’s Jr でのBeyond Meat 製品の発売は、“major milestone for the plant-based meat industry”とのこと。食肉の健康および環境への影響に対する懸念により、世界中で植物由来の食肉代替品の売り上げが伸びているとコメントしている。

 

Burger KingのImpossible Foods社が製造する植物タンパク質をベースにしたパテを用いて製造する“Impossible Whopper”の試売を開始。お客様からは、「肉でできていると思った。区別がつかない。」などの感想が寄せられていると報道されていたが、数量的にも目標をクリアした様子で、全米展開する予定とのこと。マヨネーズは、通常のものを使用しており、ベジタリアン用ではなく、通常のハンバーガーのラインナップの一つとして、選択肢を広げた格好。味や食感がそれ程変わらなければ、Sustainabilityを重要と考える人や、植物性の方が健康的と思う人が、購入するのだろうと思う。日本は、肉類一辺倒の食文化ではないので、どの程度受け入れられるか興味深い。尤も、大豆タンパク質製品がかなり浸透しており、何の抵抗感もなく、受け入れられる製品なのかもしれない。

 

 

 

Impossible Foods:創業者Prof. Patrick O. Brown (スタンフォード大名誉教授)

日本人記者が、Impossible Foods社を訪問・見学・試食のプレスツアーに参加した際のCEOパトリック・ブラウン(現会長)との単独インタビュー記事。パトリック・ブラウンの生化学者としての業績、起業までの経緯、志などが記載されていて、興味深い内容と感じました。

米国・シリコンバレーでは今、植物を主原料とする人工肉の開発・製造販売を行うスタートアップ「インポッシブルフーズ」が急成長中だ。(中略)同社の創業者兼CEOは、この人工肉を広く普及させることで「温暖化の危機から地球を救うことができる」と豪語する。いったい、人工肉と気候変動がどう結びつくのか。同社を訪れ、CEOをインタビューし、人工肉を試食した。

Impossible Foods社の創業者は、著名なスタンフォード大学名誉教授のPatrick O. Brown。彼は、HIVウイルスの感染メカニズムを解明し、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)を開発したという生化学者。オープンアクセスジャーナルPLOS(Public Library of Science)の共同創設者としても知られる。スタンフォード大の彼の研究室が開発したcDNAマイクロアレイが、スタンフォード型DNAマイクロアレイとされている。2009年に、サバティカル休暇中に、「これまでのスキルとキャリアを、世界に対して最も貢献できる方法は何か」と考え、meat alternativeを開発することによって、地球持続性問題を解決しようと、2011年にImpossible Foods社を起業したとのこと。

Pat Brownは、畜産業は世界全体の温室効果ガス排出量の15%について責任があり、新鮮な水の25%をも使用しており、世界中の土地の半分以上が牧草地など畜産業用に利用され、地球全体のCO2吸収力も低下させているとの見解を基に、「畜産業、中でも牛を飼うことは最も深刻な環境問題だ」と考えているとのこと。

Pat Brown自身は長年の菜食主義者で、人類が肉食への欲求を絶ち難いことも熟知していて、「ならば科学の力で、動物の肉よりもおいしくて栄養面でも優れ、価格も安い人工肉を作り出せば、消費者はそちらの方を好んで買うようになり、畜産業は自然に消滅。地球は危機から救われるだろう」とインタビューに答えたとのこと。

インポッシブルフーズ社製人工肉のレシピは、以下の通り。

【第1世代と第2世代のレシピの違い】――――――――――――
Impossible Burger OLD ingredients list: water, textured wheat protein, coconut oil, potato protein, natural flavors, 2% or less of: leghemoglobin (soy), yeast extract, salt, soy protein isolate, konjac gum, xanthan gum, thiamin (Vitamin B1), zinc, niacin, vitamin B6, riboflavin (Vitamin B2), vitamin B12.

Impossible Burger NEW ingredients list: Water, soy protein concentrate, coconut oil, sunflower oil, natural flavors, 2% or less of: potato protein, methylcellulose, yeast extract, cultured dextrose, food starch modified, soy leghemoglobin, salt, soy protein isolate, mixed tocopherols (vitamin E), zinc gluconate, thiamine hydrochloride (vitamin B1), sodium ascorbate (vitamin C), niacin, pyridoxine hydrochloride (vitamin B6), riboflavin (vitamin B2), vitamin B12.
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植物タンパク質をベースにしたmeat alternativeであるが、特筆すべきなのは、大豆のヘムタンパク質であるleghemoglobin を添加している点である。leghemoglobin は、肉様の赤色を製品に与えているとともに、加熱した際に、肉臭:肉が焼ける時の匂いを発する要因になっているとのこと。しかも、そのleghemoglobin は、遺伝子組換え酵母を用いて製造したものとのこと。GRAS認定の際、安全性について問われるも、学術的なロジックを展開、FDAから問題なしのコメントをもらった模様。これまで、レストランのみでの提供だったが、小売り販売も開始するとのこと。家庭で焼いた時に、肉臭が漂うのは大きな魅力かもしれない。一方で、消費者が、合成生物学的な手法で製造したleghemoglobin をどう捉えるのか注目したい。生産菌は除去されており、DNAフリーとなっていれば、消費者が懸念するような要因はないだろう。その点に対する消費者の理解が進んでくることを期待する。

Impossible Foodsが小売販売開始に向けて、DropboxのCEOを務めた後、Googleで数年間senior management rolesを務めた Dennis Woodside氏を社長に迎え、創業者Dr. Pat Brownは会長職に就いたとのこと。

food start-up のために多額の投資(almost $400m in debt and equity)をしたので、それに見合うリターンが生まれるはず(生むためのCEO交代)。急成長しており、販売およびマーケティングチームを構築し、製造を拡大などを整備すことが新CEOの役目となる様子。小売販売に向けて、様々なひき肉料理に対応可とする製品に仕立てるとともに、グルテンフリーにするなど、よりニーズに合うようレシピを変更した“Impossible Burger 2.0”を開発とのこと(前述のImpossible Burger NEW ingredients listにあるものを成分とする製品)。

 

肉は生物由来の物質に過ぎず、肉と同じような種類の分子は植物の中にも存在する。もしも神戸牛のうまみを作りだしている成分が何か分かれば、植物の中からその物質を見つけ出し、それらを混ぜ合わせることで、外観も質感も味も香りも同じものを作り出すことができる

このようなコンセプトで、製品開発をしているとのこと。知恵を使って作り上げるという姿勢。このようなアプローチが受け入れられて欲しいと思う。化学的なものは全て危険だと判断してしまうのではなく、本質的に危険なのか否かで判断し、その判断を受け入れる素地が出来上がっていくことを期待したい。

Burger King: “Impossible Whopper”_ビーフ100%と区別つかず?!

4月初旬に、Burger Kingで、Impossible burgerを試売するというニュースが流れ、その後、色々なメディアで取り上げられるようになり、食べ比べた感想などについての記事も多く見かけます。“Plant-based proteins are no longer just a meat replacement, it’s now its own category,”という記載する記事もあります。YouTubeにアップされている”Trying Burger King’s Impossible Whopper“は、元スタンフォード大学教授で、Impossible Foodsの創始者である Pat Brown氏のインタビューもあって、情報量が多く興味深い内容と思いました(下記YouTubeで詳細をご参照下さい)。クーリエ・ジャポンにも、下記記事が掲載されていて、欧州でも関心高いのではと思います。

 

さて、クーリエ・ジャポンは、BurgerKingの”Impossible Whopper”について、以下のように紹介しています。

Burger Kingdで、Impossible Foods社が開発したパテを用いた新メニュー“Impssible Whopper”を59店舗限定で発売。反応が良ければすぐにでも全米の7200店舗に拡大する計画。社内で行われた試食では、顧客だけでなく従業員までもが、いつものWhopperと肉なしWhopperの味の違いがわからなかった。BurgerKingでは、以前からベジタリアン向けハンバーガーを販売しているが、牛肉パテの味や食感の「再現」を狙ったものではなかった。Impossible Whoperは、「再現」を目的として開発。栄養面では、タンパク質量はレギュラーのWhopperと同等で、脂質は15%オフ、コレストロールも90%オフ。値段は従来のWhopperより$1ほど高め。環境意識の高い“牛肉好き”の腹を満たすために開発。Pat Brownの起業動機は、牛肉消費にともなう倫理的、健康的、環境的コストとのこと(下記YouTube参照)。

■ ”Trying Burger King’s Impossible Whopper“:https://www.youtube.com/watch?v=ng4C2HMH664
(Prof. Pat Brown のインタビューや、食べ比べシーンもある動画)

■ The Impossible Taste Test | Impossible Whopper: https://www.youtube.com/watch?v=N9FED3jkNTo
(Burger Kingの店舗シーン、食べた感想などについての動画)

■ Impossible Burgerの製法など:https://www.foodnavigator-usa.com/Article/2019/01/08/Impossible-Foods-replaces-wheat-with-soy-protein-concentrate-in-its-plant-based-Impossible-burger

 

Impossible Foods社のImpossible Burgerは、植物タンパク質をベースにした肉代替。創始者のPat Brownは、肉の再現を目指しており、肉様の色の再現や、肉臭の付与のために、遺伝子組換え技術を用いて大豆ヘムタンパク質であるleghemoglobinを製造し、添加している。これにより、加熱前後の肉と類似の変化を示し、肉の挙動を再現している。Burger Kingの”Impossible Whopper”の試売が成功すれば、遺伝子組換え成分が入った食品でも、透明性を高め、理解を求めれば、消費者に抵抗感なく受け入れられることを証明することになる。もちろん、Impossible Foodsの肉の持つ味、香り、色、食感をPlant-based productで再現する技術力の証明ともなるので、Impossible Whopperの売れ行きに注目したい。次のブログで、Prof. Pat Brownsが Impossible Foodsを創設した経緯などについても述べてみたいと思っています。

尚、Impossible Whopperには、マヨネーズが使用されているので、Vegan向けのものではないと、記事に記載がありました。

藻類によるヘムタンパク質の製造

藻類由来のたんぱく質生産プラットフォームを保有するTriton Algae Innovations 社が、遺伝子組み換え技術を使用しないHeme(Impossible Burgerのred, meaty-tasting star ingredient)の製造法を開発したとのこと。

Triton社は、緑色藻類 Chlamydomonas reinhardtii をUV処理で、Hemeを生成させて赤色に変換。Chlamydomonas reinhardtii は、自然にhemeを生産することができるが、chlorophyllと同じ経路であるため、chlorophyll (緑色) or heme (赤色)に転換する前駆体を持っているとのこと。伝統的な育種方法で、Heme産生の高収率品種を開発したとのこと。収穫・分画された藻類細胞から抽出しても良く、他の成分が必要なら全藻類成分を使用することも可。Impossible Foodsは、GMO(正確にはGMM)であるleghemoglobin を使用しているので、Non GMO Project Verified stampとならない。よって、Non-GMOを求めるplant-based meat brandsは、藻類由来Hemeに興味を持つだろうと見込んでいる。また、Impossible Foodsは、多くの時間と費用をかけて、酵母発酵で得たleghemoglobinをGRAS notification(securing a ‘no questions’ letterと記載)とし、食品添加物申請もしている。Triton 社は、 GRAS determination(パネラーがOKした状態)を短期間で取得できると見込んでいる様子。表示は、抽出hemeのみか、 whole cell algae ingredientで異なると考えているとのこと。San Diego に100kg製造可のパイロット施設を建設して、関心のあるplant-based meat companiesにサンプル供給予定。食品・飲料業界をターゲットにした最初の製品は、“sweet parsley”に似た必須アミノ酸、オメガ-3脂肪酸、繊維、鉄およびカルシウムを含むタンパク質に富むNon GMO ‘wild type’ whole algae ingredientで、食品・飲料業界から大きな関心を集めているとPR。(synthetic biologyやgene into [the chloroplast genome of] of Chlamydomonas reinhardtii導入も検討している模様)。

 

Impossible Foods社の”Impossible burger”の大きな技術ポイントは、大豆中のヘモグロビンであるleghemoglobinを、遺伝子組み換え技術を用いて発現し、それを植物たんぱく質ベースの製品に添加していること。leghemoglobinが、生肉のような赤色を呈し、加熱の際は、肉用風味の生成にも寄与しているとアナウンスされている。Triton社は、non-GMOのヘムタンパク質を提供すれば、顧客は藻類Hemeを選ぶだろうという見込み。しかし、”Impossible burger”の成分表を見ると、その他にも、技術的な工夫がなされているように思われる。単純に、植物たんぱく質を主体とした配合物に藻類hemeを添加したとしても、肉様の味、香り、食感にはならないと考える。Impossible Foodsの特許を見ると、様々な試みの結果であることがわかる。顧客が、藻類hemeを使いこなして、肉様製品を形成する技術を持っているか、あるいは、Triton社自身が、そのような技術の開発をしなければならいのではと推察する。技術の切磋琢磨を期待したい。

 

【関連情報】

■ Triton Algae Innovations : https://www.tritonai.com/

(2013年UC Davisからspin off. Chlamydomonas reinhardtii のタンク培養でosteopontinを製造)

■ Triton社技術の紹介サイト: https://www.tritonai.com/tritons-alternative-meat

 

Symrise: meat-free alternativeトレンドへの対応_Protein Center of Excellence

Symriseは、嗜好要因(おいしさ)を維持したままのtaste profilesを与えるmeat-free alternativesという世界的なトレンド(meat-free products that taste good)に対処するとのこと。

個々のソリューション開発と、様々なalternative protein-based product のtexture, appearance, juiciness, mouthfeel and tasteを作成するとのこと。Symrise本社(Holzminden)にある“Protein Center of Excellence”で、alternative proteinsをベースにした製品のauthentic taste solutionsの開発を、flavorists, food technologistsとchefsが協力して進めているとのこと。bitterness, cardboard aromas, astringencyやそれらが組み合わさった‘off-tastes’が課題。Pea protein利用顧客多いが、Symriseは既にこの領域で良い成果出しているとのこと。plant protein burger patties用やインドのベジタリアン料理を参考にした食欲をそそる味を有するculinary protein meals用製品の発売を計画。plant-based foodsのトレンドが長期化・安定化し、ニッチ市場を形成することを期待。alternative proteinは、plant-basedだけでなく、昆虫など他のソースも視野。Vegan向けの新規食品・飲料:年間平均成長率45% (CAGR 2013-17)。plant-based meat alternatives: 11%増 (CAGR 2013-2017)。Innova Market Insights の2019年トレンドのNo.2は、 “The Plant Kingdom”とのこと。alternative protein-based productsであれば、 sensory and tasteが課題。Symriseは、pea, soy or rice proteins製品に、すべての好ましい面を含むtaste profileを提供可で、「玉ねぎ」が最も重要なソースの一つとのこと。more naturalnessの提供に努める。特定の市場についての最終製品のためのtaste solutionss.を“Protein Center of Excellence”で開発している模様。要望に沿えるtaste solutionを、sustainable ingredientsで提供するとする下記のような抱負が述べられている。

From consumer preferences, creativity and intensive research to culinary innovations. With our integrated taste solutions, we are contributing to the introduction of more sustainable ingredients in people’s diet.

 

■ Best taste for alternative proteins: https://www.symrise.com/newsroom/article/best-taste-for-alternative-proteins/

Symrise Protein Center of Excellenceというmeat-free alternativesのためのtaste solutionsを研究・開発する組織を設立した様子。他のF&Fやサプライヤーも、Nartural, Clean label トレンドやSustainabilityの観点での素材開発を進めていると感じる。元々 flexitarian である日本人にとっては、plant-based foodsを摂取するべきと言われても、ごく当たり前のことに感じて、肉食を主としてきた欧米人のようにmeat-free alternativesブームに真剣に取り組もうという気になれないのは、自分だけだろうか?しかし、このトレンドは、3~4年前か継続しており、今後も長く続き、定着していく気配がする。大手の素材メーカーは、挙って天然素材メーカーを買収し、その周辺を固めていっているに感じる。豆腐、納豆、植物たんぱく質製品など、身の回りにplant-based foodsが常にある日本でも、同じ素材が必要とされる時が来るのか注目したい。

 

■ Top trend for 2019 by Innova Market Insights
https://www.foodingredientsfirst.com/news/food-discovery-the-adventurous-consumer-tipped-top-trend-for-2019-by-innova-market-insights.html

Top trend for 2019 by Innova Market Insights

1. Discovery: The Adventurous Consumer
2. The Plant Kingdom
The plant-based market shows no signs of slowing down and companies and brands are greening up their portfolios to attract mainstream consumers who want to add more plant-based options to their diets. For the mainstream consumer, going plant-based is about achieving a healthy and sustainable balance between meat and vegetables, rather than adopting an all-or-nothing way of eating.
3. Alternatives to All
4. Green Appeal
5. Snacking: The Definitive Occasion
6. Eating for Me
7. A Fresh Look at Fiber
8. I Feel Good
9. Small Player Mindset
10. Connected to the Plate

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Unilever:’plant-based journey’を加速

UnileverがVegetarian Butcher社を買収。Vegetarian Butcher社の「nochicken chunk」や「naked chickburgers」などの製品をUnileverのポートフォリオに追加し、’plant-based journey’を加速とのこと。

 

環境負荷少のbetter-for-you plant-based productsは、Unileverの戦略に合致するもので、消費者のvegetarian and vegan mealsに対する需要が高まる傾向への対応。2016年にUnileverと共同で、the Dutch Unox brandで、2品種のvegetarian meatball ready mealsを発売していた。The Vegetarian Butcher社は、plant-based ‘meat’ を提供するのが使命で、今回の買収で、Unileverのグローバルネットワークを活用して加速を図る。Unileverは、食品とリフレッシュメントの戦略目的を明確にし、“modernising the portfolio”(「ポートフォリオの近代化」ということ?)を図っているとのこと。fast-growing segments such as free-from, vegan and health and wellnessに注力する模様。

■ The Vegetarian Butcher:https://www.thevegetarianbutcher.com/
2010年にコンセプトストアをオープンして以来、 Vegetarian ButcherのCEO Jaap Kortewegは、17カ国で4,000以上の小売店で販売されるグローバルブランドを構築とのこと。

■ Ben & Jerry’s non-dairy vegan ice cream :https://www.benjerry.com/flavors/non-dairy

 

Sustainabilityの観点から、Unileverのようなリテール食品メーカーは勿論のこと、Flavor house、Enabler、原材料メーカーなどが、Plant-based foodの研究開発に参入、注力していると感じます。Plant-based foodに関して、品質やシェア争いが激化してくるのでは思われます。サプライヤーも、Plant-based food製造のための素材・技術やソリューション提案で、知恵を絞らなければならないかと思われます。

(一応、Clean meatに分類しておきます。やや違うかもしれませんが、・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“Impossible Burger”が、グルテンフリーの“Impossible Burger 2.0”へ

“Impossible Burger”が、“Impossible Burger 2.0”なるとのこと。“Impossible Burger 1.0”との違いはグルテンフリーになったところ。これまでの主要成分はtextured wheat proteinだったが、2.0ではこれをsoy protein concentrateに切り替え、より本物の肉の味に近づき、“tastier, juicier, beefier” (and now gluten-free) burgerになっているとのこと。

減塩、飽和脂肪酸軽減(ヒマワリ湯への変更、コンニャクガムとキサンタンガム未使用とし、加工澱粉とメチルセルロース (which are also used in the plant-based Beyond Burger), cultured dextrose (a popular preservative), vitamin C and vitamin Eを追加。2/4から、米国取り扱いレストランに供給。1.0は、パテ部分のブラインドテストで、‘80/20’ ground beef に相当という評価で、レストラン5000店が導入。オリジナルのImpossible Burger(2016年発売)は、今年後半には小売り発売できるように改良・準備中。新レシピの方は、餃子からsloppy joes(サンドイッチ?)まで、あらゆる挽肉料理に活用できるよう最適化。蒸し、焼き、または炎で焼くことも可。調理過程を通してその質感とジューシーさを保持。soy leghemoglobin (‘heme’)について、self-GRAS取得。FDAも、将来いくつかの用途では色素添加剤と見なされる可能性があるとコメント(The FDA also noted that soy leghemoglobin could be considered a color additive in some potential future applications, prompting Impossible Foods to file a color additive petition with the FDA on November 5, 2018.)。Hemeが、色素用途としては、曖昧な位置付けなので、小売販売開始時期に影響するかもしれないが、スケジュール通り発売可となると見込んでいる様子。

【新・旧レシピの違い】

  • Impossible Burger OLD ingredients list: water, textured wheat protein, coconut oil, potato protein, natural flavors, 2% or less of: leghemoglobin (soy), yeast extract, salt, soy protein isolate, konjac gum, xanthan gum, thiamin (Vitamin B1), zinc, niacin, vitamin B6, riboflavin (Vitamin B2), vitamin B12.
  • Impossible Burger NEW ingredients list: Water, soy protein concentrate, coconut oil, sunflower oil, natural flavors, 2% or less of: potato protein, methylcellulose, yeast extract, cultured dextrose, food starch modified, soy leghemoglobin, salt, soy protein isolate, mixed tocopherols (vitamin E), zinc gluconate, thiamine hydrochloride (vitamin B1), sodium ascorbate (vitamin C), niacin, pyridoxine hydrochloride (vitamin B6), riboflavin (vitamin B2), vitamin B12.

段々と本物に近づくにつれ、バターとマーガリンの関係のように、「肉」とは一味異なる機能を求める人達の要望を叶える存在になっていくのかもしれません。小売り販売されるようになり、表示などにより、より中身が何であるかをチェックされるようになった時に、消費者のperceptionがどう変化するか興味深いところです。

インテグリカルチャー社:培養システムが宇宙での細胞農業技術プロジェクトに採択

日本のClean meatに関するスタートアップであるインテグリカルチャー社が、東京女子医大と共同で、JAXAの、宇宙探査イノベーションハブ(探査ハブ)が実施する研究提案プログラムに、TansaXチャレンジ研究として採択されたとのこと。

『光エネルギーおよび省リソース「藻類・動物細胞共培養リサイクルシステム」による持続的な食糧・タンパク質の生産』をテーマとして、宇宙にて閉鎖系での食肉生産を可能とする細胞農業技術に関する共同研究を実施予定。有人宇宙活動での食料確保において、タンパク源の確保や食の満足度という観点での課題解決を目指す。インテグリカルチャーの培養システム「カルネット™システム」は、細胞の増殖を促す成分(成長因子など)を発する細胞と筋肉細胞等を同時に培養することで、低価格培養液の効能を大幅に引き上げ、純肉の効率的な生産を可能とするシステム共培養を用いた食肉生産技術は、宇宙だけではなく、世界的な人口増加に伴う「タンパク質危機」が危惧されている地球上でも極めて有用とアナウンス。

インテグリカルチャー社の上記プレスリリースには、牛胎児血清(FBS)を、一般食品を原料とする「FBS代替」で置換することで動物由来成分を不使用にし、価格を大幅に低減した培養液を使用。汎用大規模細胞培養システム“Culnet System”(細胞の増殖を促す成分を発する細胞と、筋芽細胞や肝臓細胞などの目標の細胞を同時に培養すること)で、低価格培養液の効能を大幅に引き上げ、大規模で効率的な細胞培養を可能とするシステムで大量培養を図るとのこと。細胞培養に必要な培養液のコストを1リットルあたり10円以下、従来の10000分の1以下まで低減できるとの記載もある。

単純に、所謂「無血清培地」を使用と思い、価格的に無理だろうと思っておりました。しかし、本培養技術は、成長因子を産生する細胞を同時に共培養、循環することで、コストダウンを図っている様子。素人的には、フォアグラ様やペースト状のものなら、できるかもしれないと思えてきました。

2018年中にパイロットプラントを製作、2019年末から2020年初頭にかけて商業プラント1号機を建設する予定。2020年の化粧品・健康食品向けの原材料を皮切りに、2020年代を通じて化粧品・健康食品・一般食品などの様々な細胞農業製品を順次市場投入、2020年代半ばには現行の食肉との価格等価を実現し、増加を続ける世界の食肉需要に対して持続可能な供給手段の実現を計画とのことなので、今後の進展を見守りたいと思います。

 

■ インテグリカルチャー社:http://integriculture.jp/?lang=ja
“Culnet System”特許要旨:
成長段階ごとにサイトカインを添加するコストを抑えて成長を誘導するため、生体由来の成長誘導対象に培養液を灌流する第一の培養槽、サイトカインを分泌する分泌体に培養液を灌流する第二の培養槽、および、検出部と記憶部と制御部とを備えた成長誘導制御装置、を備えた成長誘導システムにおいて、成長誘導手順を規定する成長誘導プロトコルを記憶させ、制御部において、検出部を介して成長誘導対象の成長状況を検出し、成長誘導プロトコルに基づいて、成長誘導対象の成長状況に応じて、分泌体が分泌したサイトカインを含む培養液を成長誘導対象に供給する流量を制御する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Impossible Foods社:”Impossible Burger”を米国grocery storesで販売へ

Plant-based Impossible Burger to launch in retail stores in 2019
Foodnavigator-USA 08-Nov-2018 at 19:18 By Elaine Watson

In response to “overwhelming demand from consumers,” Impossible Foods has confirmed plans to sell its plant-based Impossible Burger in US grocery stores next year, although it is not sharing details of the scope of the launch, pricing, merchandising tactics, or the names of potential retail partners.

 

大豆などの植物タンパク質から肉様の味・香り・食感を持ったplant-based meat(”Impossible Burger”)を製造・販売しているImpossible Foods社が、消費者の圧倒的な要望に応えて、2019年に米国のgrocery stores で、“Impossible Burger” を発売予定とのこと。ソーシャルメディアのファンからの一番の要望は、‘When will I be able to buy and cook the Impossible Burger at home?’で、plant-based meatを調理してみたいとの願い。これまで米国5,000店舗超 のレストラン (White Castle から Fatburgerまで)と、香港・マカオの 100店舗のレストランに”Impossible Burger”を供給。 Redwood CityからOakland production facilityに生産拠点を移し年末までに生産量を倍にし、taste, nutrition and valueで、動物の肉を凌駕することを目指すとのこと。meat-eating consumersのブラインドテストで、半数はは“Impossible Burger”を好ましいとしたとのこと(5年前の評価は、10%以下)。”the most destructive technology on Earth.“(Dr Brown談, a Stanford biochemist and genomics expertでImpossible Foods CEO)。動物由来食品の需要は急増している。屠殺は好ましくないから、代わりに豆や豆腐を食べよとは言わない。非効率的な動物ベースの技術による肉よりもおいしくて栄養価が高く持続可能な”肉“を作ればよいとの主張。大きな喜びと価値をもたらし、それを消費者に選択肢として提供する。市場の需要(判断)に任せればよいとのこと。

Impossible Foodsの技術ポイント(上記URLの記事より)
■ At Impossible Foods, the key components of meat have been identified, characterized and sourced from plants such as soy, wheat and potatoes, and processed using high-moisture extrusion and other techniques in order to meet precise functional, taste and textural criteria.
■ The secret sauce is ‘heme’, a molecule that’s “super abundant” in animal muscle. This is sourced from leghemoglobin, a protein found in nodules attached to the roots of nitrogen-fixing plants such as soy that is similar to myoglobin and hemoglobin (which make blood look red).
■ Impossible Foods is producing it via a genetically engineered yeast he DNA of which has been retooled to produce leghemoglobin.
■ Impossible Burger ingredients list: Water, Textured Wheat Protein, Coconut Oil, Potato Protein, Natural Flavors, 2% or less of: Leghemoglobin (soy), Yeast Extract, Salt, Soy Protein Isolate, Konjac Gum, Xanthan Gum, Thiamin (Vitamin B1), Zinc, Niacin, Vitamin B6, Riboflavin (Vitamin B2), Vitamin B12.

 

grocery storesで販売されるようになると表示が必要ではないかと思います。genetically engineered yeastで発現したレグヘモグロビンに対する消費者の受けとめ方がどうなるのか注目したいところ。CEOのDr Brownが主張しているように、消費者が選択すること。leghemoglobinについては、優秀な生化学者らしい論法で、Self-GRASを取得。FDAから、異議なしの見解を引き出している様子。植物からの摂取が難しいVit. B12などは、微生物生産している。ベジタリアンは、微生物や遺伝子組換えに関して寛容であると思われるので、問題なく受け入れられるのではと思われます。。以下のURLの記事で、leghemoglobinとそのGRAS認定について知ることができるかと思います。

■ Inside the lab where Impossible Foods makes its plant-based “blood”
Fast Company 2018/11/12

 

■ FDA backs Impossible Foods’ “magic ingredient”
Foodingredientsfirst 31-Jul-2018

Impossible Foods has received a no-questions letter from the US Food and Drug Administration (FDA).

 

ネーミングの行方:”Cultured meat” or “Clean meat”?

細胞培養技術などにより、肉様のものを製造しようとする動きがある。Sustainabilityの観点からの取組みとされ、いくつかのstart-upが上市に向けて凌ぎを削っている。Cultured meatとか、cell-based meat、lab meat「培養肉」などと呼ばれてきた。Bill Gatesなど、シリコンバレーの資金がこの技術開発に注がれていると聞く。当初、コストがあまりにもかかり、実用化が難しいのではと言われていたが、技術開発が進み、次第に実用化が近いのではという声も聞かれる。この話題については、いろいろな要素が含まれていて、簡単には述べることができそうにありません。後日、各社の技術内容について、ゆっくり記載したいと思います。

今回は、実用化はまだ先のように思われますが、米国でそのネーミングについて、レギュレーション問題も絡んで論争が始まっているというニュースが、このところ散見されるので、いくつか取り上げてみたいと思います。

 

Memphis Meats, NAMI: FDA and USDA both have roles to play in regulating cell-based meat and poultry

Foodnavigator 23-Aug-2018 at 20:36 By Elaine Watson

 

Memphis meat社(培養肉のStart-up)とNAMINorth American Meat Institute)が、トランプ大統領に宛てた書簡の中で、White House, USDA, FDA, and both conventional and cell-based meat and poultry industry stakeholders間で、cell-based meatに関する規制と呼称をどうするかについて協議するよう提案しているとのこと。肉および家禽の規制については、長年FDAUSDAは協力して対応してきた。FDAは、cell culture technologyを用いて製造した製品の安全性評価の能力があり、USDAは、長年、肉製品および家禽製品の検査に従事してきた。FDApre-market safetyが確認された後、USDAcell-based meat and poultry productsを規制し、適切にラベルされるのが良いと提案しているとのこと。呼称については、動物細胞培養による製品であることを記述するため‘cell-based meat and poultry’とするとの案。US Cattlemen’s Associationも、FDAUSDAと議会が、それぞれの管轄で協力して決定するべきとしている。米国は、この cell-based meatsも含めて、タンパク質製品の世界のリーダーであるならば、規制上の明快さがなければ、その地位を維持できないとの見解。IFT年次会議で開催された教育セッションで、管轄問題について協議されたことを受けて、最終的には、得手、不得手があるので、規制については「USDAFDAとの共同作業」で行うべきという方向に向かっているという記事内容。

 

もう少し砕けた内容の下記記事では、次のように表現されています。

 

 「培養肉」か、それとも「クリーンミート」と呼ぶべきか? 白熱するネーミング論争

Wired 2018.08.10 FRI 18:00

 

「培養肉」と呼ばれた人工肉のネーミングをめぐり、議論が巻き起こっている。米国では、管轄官庁がFDAなのかUSDAなのかによって、「肉」の定義が異なることや、上市後の規制の仕方が大きく変わってくるとのこと。開発を手がけるスタートアップはイメージ向上のために「クリーンミート」という名称にしたいことなど、色々な要素がある中、議論されている様子が記述されています。 

様々な記事に当たると、これは「肉」と呼んで良いのかという視点で議論から始まって、次第に、start-upsが推す“Clean meat”に向かっているような印象です。 

培養肉と、Impossible foods のように“培養肉”を使わず、既存の植物タンパク質をベースに肉様の製品を製造している場合も一緒くたになって議論している感もありで、もう少し原料と製法を整理した論議が必要そうに感じます。