Givaudan : UC Berkeleyと共同で有望な植物タンパク質を評価・選定

2017年に開始したGivaudanとUC BerkeleyのPlant proteinsに関する研究の成果に関する記。

Givaudanが、食品業界、特に栄養飲料の分野でgame-changerとなるthe top six new up-and-coming plant-based proteinsを特定。UC BerkeleyのProduct Development Programmeとの共同で2017年に開始した研究プロジェクトの結果から、oats, mung beans, garbanzo beans, lentils, flax、sunflower seeds由来の6種タンパク質と選定。研究は、栄養飲料に適するalternative proteinsを選定するため、44種類のタンパク質飲料製品と42種類のユニークな植物タンパク質を用いてマッピングを開始。commercial viability, protein content, sustainability, allergenicity, flavor and color、nutritional factorsなどを評価項目としてプロファイリング。game-changerとなる可能性のある6種の植物タンパク質を選定。UC Berkeley研究のレポートは、6つのタンパク質源それぞれに関する詳細な情報を提供し、これらのタンパク質が供給、栄養価、使用を加速する要因、タンパク質抽出プロセス、コスト、環境影響などの多くの基準に対してどのように評価されるかを分析。動物タンパク質に比べて、タンパク質生産の土地および水の影響が少なく、Sustanabilityに大きく寄与と評価。将来的に世界中で高品質のタンパク質の摂取と栄養を可能にするのに重要な情報とのこと。また、6/20には、G社は、six plant-based proteins (soy, pea, faba, rice, oat, algae and whey)で発生するoff-notesの包括的なmasking solutionsも発表。alternative proteins を活用する際、functionality, texture, taste, nutrition and costのバランスを取るには、食品または飲料製品中のすべての成分の相互作用を完全に理解しなければならないとのこと(今回の結果の重要性を強調)。Vegan市場は、引き続き好調な成長。Just社のvegan mung bean-based “eggs”(Just Egg)、Parabel USAのwater lentilsから成る乳代替(特許出願済み ) など、世界中で急成長。乳代替は、米国牛乳総売上高の15%。今後数年間で2桁成長と予測。Global Plant Protein marketでは、2021年までCAGR8%で成長すると、$13.7 billion。57%の消費者が求めていて、2018年は売上高92%増を記録しているとのこと。

■ Parabel USA:https://parabel.com/

■ off-notesマスクに関する記事↓

 

Sastainabilityの観点から、植物タンパク質の活用が注目されている状況。少なくとも10種類以上のPlant proteinsに関する基礎特性と加工適性などに関する情報を蓄積したものと思われる。収穫量やタンパク質素材としての生産量なども含めて、情報開示されるにしたがって、世界的範囲で活用するのに最適な植物タンパク質資源が定まっていくことを期待する。

Nestlé も ‘cook from raw’ plant-based burgerを発売

Nestleが、2019年4月、Plant-based burger、“Garden Gourmet Incredible Burger”(調理前、調理中、調理後、それぞれの牛肉ハンバーガーの外観を模して製造されたハンバーガー。冷蔵or冷凍品)を欧州で発売、夏以降に米国発売(Sweet Earth brandの‘Awesome Burger’)を予定しているとのこと。(4/2付けの記事。このところ、大手食品メーカーもmeat alternativeに進出ということで、日本のメディアでも取り上げられいるので、思い出して記載しています。)

Garden Gourmet Incredible Burgerは、soy and wheat proteinとnatural plant extracts from beetroot, carrot, and bell pepperを用いて製造。flavour, texture とcooking experience(消費者の調理行為)で妥協せず、tasty, authentic plant-based food(おいしくて本格的な植物由来食品の意)開発にフォーカス。消費者は、タンパク質摂取と食事の環境負荷軽減を楽しみ、バランスをとるための様々な方法を求めており、このトレンドは継続すると見込んでいる様子。healthy and sustainable food accessible to everyone through our trusted brands.を提供して行くとのこと。

 

YouTubeで、本製品についてのインタビューと調理シーンの動画が4/2公開になっています下記URL)。

■ Nestle Plant-based burger/Interview (動画) (Nestle Global Category Lead Chilled & Frozen Foods, Andrea Zambelli氏)https://www.youtube.com/watch?v=hATGhiSUwTA

■ Nestle Plant-based burger/調理法 (動画) https://www.youtube.com/watch?v=lpSLP4GMtZc

 

Plant-based foodsがトレンド。特に、Impossible Foods社やBeyond Meat社が、火をつけたmeat alternativeが活発な動きをしている。Whole Foodsのフードコーナーには、Beyond Burgerがメニューにあり、その場で焼き上げ、芯温を測定して、提供してくれる。Impossible burgerがBurger Kingに供給され、Impossible Whopperという製品名で試売され、売れ行き好調で、全米展開になると聞く。Flexitarianで、植物性食品も多く食べ、植物タンパク質を用いた製品も摂取してきた日本人にとっては普通のことのようにも思えるのだが、これまで”肉”一辺倒に近かった欧米で、環境やSustainabilityに対する関心が高まっている現在、このPlant-based foodsnのトレンドは定着していくような感じがする。最近は、生のひき肉に対する植物タンパク質による肉代替ばかりでなくソーセージやハム類に拡大。さらにチーズやバターなど乳製品やマヨネーズや液卵などの卵製品などの代替製品へと守備範囲が広くなってきている模様。Plant-based foodsの発売記事が本当に多く散見される。精進料理を考えると頷けるかと思うが、大豆タンパク質や小麦タンパク質などを用いたこの分野の日本の技術は高かったが、欧米のPlant-based foodsトレンドを見ると、どんどん細部にわたり技術向上しているように思われる。産学連携での技術開発も盛んで、日本が段々と取り残されて行っている感がある。また、日本がまだ大豆や小麦タンパク質を中心にした製品開発をしているのに対して、欧米だと、アレルギーやGMOなどの問題で、大豆や小麦由来タンパク質が敬遠される傾向にあることから、新規なタンパク質源を用いた開発をしている。そのため、余計に日本と違った領域が築かれて行っているように感じる。このような流れを受けて、長年培ってきた、この分野での日本の食品加工技術はどのような展開をするのか楽しみに思う。

Nestlé社はドイツ・フランス中心に展開している食肉加工事業のHerta社の売却を模索しているとのことでも、Nestle社のPlant-based foodsにかける本気度を感じる。

 

植物由来のバター代替品ファババター(FabaButter)

Fora社が開発した乳製品を使わない植物由来のバター代替品ファババター(FabaButter)の紹介記事。

 

アクアファバ(ひよこ豆を煮た後に出るタンパク質とでんぷんがたっぷり入った水)を乳化剤として使用し、味や口当たりを改善したもの。バターの脂肪たっぷりの味や舌触り、広げやすさを再現し、現在市場で販売されている乳製品不使用バター代替品とは一線を画すとしている。調理もしやすく、本物のバターと同じように焼いたり溶かしたり、塗ったりすることができるとのこと。環境や健康面での懸念から植物由来の食生活を選択する大きなトレンドの一環。ココナッツオイルのような健康的な飽和脂肪でできており、食塩の量は競合企業の半分とPR.

Fora社:https://forafoods.com/
FabaButter: https://www.kickstarter.com/projects/478829468/fababutter-michelin-star-chef-approved-dairy-free
FabaButter (動画): https://www.youtube.com/watch?v=irVjm2CdX3Q

 

Sustainabilityの視点から、益々開発に拍車がかかっている感のあるPlant-based foodsの一つとして挙げられると思います。乳化力のあるタンパク質を用いて油脂代替を製造された製品もあるので、、ひよこ豆タンパク質と澱粉を分画して、それぞれの乳化力を見てみたい気になります。第2世代の植物タンパク質として、pea proteinが着目され、大量製造されるようになってきていますが、今年は、ひよこ豆タンパク質も人気と聞きます。収穫量の多い植物タンパク質の性状や加工特性を同じ土俵で評価した報告が、何れ出てくることを期待します。1980年代なら、間違いなくそのような報告する方がおられたと思いますが、最近は、そんな研究ははやらなくなっているように感じます。

“JUST Egg”: 卵のような性状を示す素材

Just社(旧Hampton Creek社)の最初の製品“JUST Egg”は、water, mung bean protein isolate, canola oil, gums, seasoningsからなる液卵のような状態のもので、加熱・調理してスクランブルエッグのようにすることができる製品。見て、調理して、味わうとしてスタートした卵様の植物タンパク質製品。

JUST Egg – a plant-based scrambled egg alternative from Just Inc made with mung bean protein – is already outselling established liquid egg brands such as Egg Beaters (ConAgra Brands) and All Whites (Crystal Farms) in dollar sales per store in natural and conventional grocery channels, says CEO Josh Tetrick.

JUST Egg – a plant-based scrambled egg alternative from Just Inc made with mung bean protein – is rolling out nationwide at Sprouts this month and Whole Foods Market next month, says CEO Josh Tetrick, who claims the product is “largely incremental to the category.”

Whole Foods とSproutsで、five million-egg markを達成し、natural and conventional grocery channelsの15%超(母集団が不明か??)となり、液状卵の売上高を既に超えているとのこと。。世界的に従来の卵の現在の生産コストは$0.08で、そのうちの約60%は動物飼料代。2~3年以内に、Just Egg 1個当たり$0.047とするのが目標とのこと。

■ Just社:  https://justforall.com/en-us/get-just-egg
■ Sprouts(Farmers market):https://www.sprouts.com/

【現在のJust Eggの成分
Ingredients, Just Egg: Water, mung bean protein isolate, expeller-pressed canola oil, contains less than 2% of calcium citrate, enzyme, gellan gum, natural carrot extractives (color), natural flavors, natural turmeric extractives (color), onion puree, salt, soy lecithin, sugar, tetrasodium pyrophosphate, preservative (nisin, potassium sorbate).

 

Hampton Creekという社名で植物タンパク質をベースとして、卵様の製品を売りにして出発したスタートアップ。”Mayo”という植物タンパク質でできているマヨネーズのような性質を示す製品の発売でして名前が知られるようになったと記憶。いつの間にか、社名が”Just”となり、様々な卵代替製品を開発し、大きくなって行った会社の印象。土台には、各種植物タンパク質の加工特性やテクスチャーなどに関するデータベースを持っていて、製品設計・開発に役立てているとアナウンス。そのようなデータベースだけでも、価値あるように思う。一度、試して、その技術力がどの位なのか知りたいところです。

微粒子化タンパク質 : micronized pea and rice protein

機能性食品素材サプライヤーであるHealy Groupが、micronized pea and rice protein ingredients(“PrimaPro”)を4月発売予定とのこと。a novel, “world-first” mechanical manufacturing process で製造された ultrafine protein powderであるとアナウンス。

plant-based diets, sports nutrition and high-protein beverages and snacks用のタンパク質素材(タンパク質 80%以上)。スポーツ栄養分野のタンパク質に関する技術革新が新製品開発を後押して成長。2017年、食品・飲料の新製品の5%以上がプロテインをクレーム。2013 – 2017年のCAGR 29%。動物由来と植物由来のタンパク質の両方ともアップ。PrimaPro micronized pea/rice proteinsは粒径は、D90(90%粒径)が 100 micron+の標準値のものから、25 micron未満の独自クラスまでに微粒子化されたMicronized proteins:微粒子化タンパク質。テスト販売では、a smoother, less gritty texture, improved particle suspension, cleaner flavor profiles and enhanced emulsification capacity、less bitterness、a more homogenous mixture and smoother textureとの評価。specialized mechanical milling processで微粒子化するが、protein content and amino acid profileは維持。PrimaPro シリーズ:基材として Pea, Rice and Pea and Rice blend from Pea Protein/Rice Protein Concentrateを含有。”PrimaFi”,  a micronized fiber productも開発中とのこと。

 

specialized mechanical milling processが、どのような工夫がなされた微粉砕機なのか不明であるが、a novel, “world-first” mechanical manufacturing process と謳っているので、どんな技術なのか知りたいところです。かつ、微粒子化粉末にすることによって、機能特性、食感、風味などが改質されている様子。pea and rice proteinの配合は、アミノ酸スコアを100に近づけるように配合比を設計していると思われ、タンパク質含量が80%以上としているので、タンパク質素材としては、味と機能特性が良ければ、かなり使えそうな印象を受けると思われました。

■ Healy Group:https://healy-group.com/

■ 今さら聞けない粒子径・粒度分布の基礎 【装置の基本構成・測定手順・メンテナンス】:

http://www.horiba.com/fileadmin/uploads/Scientific/Photos/PSA/Education/PSA2015-1.pdf

場製作所が作成した上記資料が、粒度や粒度計に関して簡潔に説明されていてわかりやすいと思いました。

 

 

 

Kellogg : Pea proteinの苦味成分除去法を特許出願

‘surprising’ findingだとして、Pea proteinの苦味低減法についてのKelloggの特許を紹介している記事。

Plant-based proteinsがブームで、製造業者は自社製品の新しい供給源を探しているとのこと。Pea proteinは、アレルゲンフリーという利点あるが、bitter aftertasteとflavor off-notesが課題。「steam-cooking and drum-drying pea protein flour, concentrates and isolates」処理で、最終物のpea flavor or bitterness がno detectableとなるとのこと。低分子量の揮発性成分がマメ科タンパク質(製剤)の苦味と特有の風味の原因と考えられていたが、約25 kDa以上の分子量を持つサポニン化合物が結合したタンパク質が、pea floursの苦味と特徴的な風味に関与している可能性があることを発見。結合しているsaponin (and any associated proteins)をfreeにするか非結合性のものにすればよく、これを低減すれば、bitter aftertasteとflavor off-notesを軽減することができると判明。steam cooked and drum dried pea protein (processing steps by steam cooking a raw slurry to form a cooked slurry and drying the cooked slurry)処理で、様々な食品・飲料に活用できるようになるとわかり特許出願とのこと。

Source: WIPO International Patent No. 20190000120
“Processed Leguminous Materials”
Published online January 3, 2019
Applicant: Kellogg Company
Inventors: Monjur Hossen, John David Pinkston, Alina Ruxandra Tenea, George Cherian

Abstract:
Disclosed are methods of processing raw leguminous materials, such as pea flour, pea concentrate, or pea isolate, to reduce non-volatile flavor components and in particular bound saponin compounds. The methods includes select processing steps by steam cooking a raw slurry to form a cooked slurry and drying the cooked slurry to form a processed material. An amount of non-volatile flavor components in the processed material is less than an amount of non-volatile flavor components in the raw materials

 

Sustainabilityの観点から、Plant-based productの開発が盛んになっており、そのトレンドが長期化するだろうと予測されている。植物性の食品素材で動物性素材を代替する上で、新規な植物たんぱく質資源の開発が重要である。現在のところ、新規な植物たんぱく質源としてPea proteinの開発が最も進んでいる。しかし、苦味や豆臭といった異風味改善や大豆のような機能特性付与が課題とされていると思われる。今回の特許内容は、Pea proteinを、大豆たんぱく質製造の際に用いられているような「steam-cooking and drum-drying pea protein flour, concentrates and isolates」処理といった、比較的安価な処理方法だけで、異風味を除去できているようなので、利用価値は大きいのではないかと考える。処理方法から、機能特性・加工特性も変化している可能性が高く、実際のリテール製品を製造した時に、好ましい製品に仕上がるものかどうか結果を見てみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菜種タンパク質中の苦味成分の同定

菜種(Brassica napus)は、ヨーロッパ、中国、インド、カナダ、オーストラリアなどで豊富に栽培されている。高品質の脂質組成で、食用油脂として活用。菜種は必須アミノ酸からなる高品質タンパク質も含有。しかし、菜種タンパク質は、強い苦味(very bitter-tasting secondary plant constitutes)を有するため、家畜用のタンパク質飼料以外は使い道がないとのこと。

ミュンヘン工科大学(TUM)で、菜種粕中のcruciferinやnapinといったタンパク質(含量80-90%)から、不快な苦味の原因となる物質を分離・精製。この単離された菜種タンパク質中の苦味成分を同定した文献の紹介記事。kaempferol 3-O-(2‘‘‘-O-sinapoyl-ß-sophoroside)と同定。Cruciferin1kg当たり、390 mg の kaempferolを含有。菜種粕とnapinは、10分の1未満のkaempferol含有量にもかかわらず、官能試験では苦味を呈するとのこと。苦味を低減する方法は2つ考えられるとのこと。解決策案:①kaempferol誘導体の抽出or破壊(分解、改質)② 低kaempferol品種の育種。Celiac UKとInnovate UKは、苦味が低減されれば、グルテンフリーのパンのための新しい植物タンパク質となるとして、研究に資金を提供する計画。菜種粕はグルテンフリーのパン素材として研究されているタンパク質源の1つとのこと。

 

Sustainabilityの観点から、Plant-based productsの市場が拡大し、そのトレンドが長期化するだろうと予測されている。特に、動物性から植物性の食品素材に移行する上で、植物たんぱく質資源の選択が重要となる。現在は、大豆たんぱく質や小麦たんぱく質が主体になっている。しかし、大豆たんぱく質は、アレルギー問題やGMOであることであったり、溶媒抽出残差由来であること。小麦たんぱく質は、グルテンフリーが好まれることなどから、大豆や小麦に代わる植物たんぱく質源が求められている。新規な植物たんぱく質源としてPea proteinなどが有望視されているが、栽培量がまだ少ない。その点、菜種は、油糧種子として位置づけられ、栽培量もそれなりにある。従って、搾油後の菜種粕の苦味成分が、安価な方法で除去可能であれば、植物たんぱく質源として菜種は有望であろう。欧米人は、苦味に対する感受性がかなり高く、日本では受け入れられている製品でも、苦味があるといって拒絶されることが多々あったことを記憶している。恐らく、吸着しているのだろうから、物理化学的な処理だけで苦味成分が低減できることが期待される。さらに、苦味除去後、どのような機能特性や加工特性を持っているのか確認が必要なのは勿論のことである。

 

■ Kaempferol:https://ja.wikipedia.org/wiki/ケンペロール

■菜種タンパク質:Cruciferinと Napin

Structural Properties of Cruciferin and Napin of Brassica napus (Canola) Show Distinct Responses to Changes in pH and Temperature.

Plants (Basel) 2016 Sep 7;5(3). pii: E36. doi: 10.3390/plants5030036.

https://www.mdpi.com/2223-7747/5/3/36