Firmenich-Layn 天然甘味料素材で提携

Firmenichは、広範な天然甘味料ポートフォリオ(portfolio of monk fruit, stevia extracts and other functional botanicals)を有する中国のLayn社との提携を発表。

Layn-Firmenich partnership will expand distribution, boost sweetener formulation expertise
Foodnavigtor 17-Sep-2018 at 09:00 By Stephen Daniells

 

Layn社は、Firmenichthe best formulation expertiseを活用して天然甘味料をグローバルに展開することを目指す。一方、Firmenichは、業界で最も幅広い天然甘味料製品にアクセスできることになり、Laynとの提携は、game-changing partnershipであるとのこと。Firmenichは、Laynの天然甘味料素材をtaste modulation technologies flavorsを組合せて、砂糖のような甘味プロファイルと食感を実現する“integrated taste solutions”を開発して行くとのこと。

Layn社:https://layncorp.com/
Layn is a global leader in the vertically integrated production of premium-quality, plant-based sweeteners, flavors and botanicals.

 

Clean labelNaturalトレンドの影響で、低カロリーの天然由来高甘味度甘味料が求められており、天然甘味料Steviaの新製品での採用率が増加していると聞く。また、課題であったsteviaの後味も、味質の良いStevia 成分であるReb. MDの含量が高い製品が今年(2018年)には出てくる見込みと聞く。Firmenichは、天然甘味料の広範な製品群をもつLayn社と提携することによって、天然甘味料領域で、かなり大きな存在になると思われる。さらに、モンクフルーツ中の高甘味度甘味成分”Siratose”の開発を行っているSemomyx社との買収合意に達したことも同時期発表しており、天然甘味料の開発競争を優位に運ぼうとしているように思えます。、

 

 

 

F&F 大手Firmenichによる味覚受容体技術を持つSenomyx社の買収

2000年にうま味成分であるグルタミン酸の受容体(mGluR4)や苦味受容体が味蕾にあることが発見されたことに端を発して、味覚に関連した受容体が次々に発見され、呈味物質の受容機構も明らかになって行った。このような知見を活用して、味覚受容体に結合する物質をスクリーニングすることによって、新規な呈味物質やエンハンサーを探索する手法を開発。うま味物質や甘味料、甘味増強物質などを上市しようとしたのが米国サンディエゴのSenomyx社である。このSenomyx社を、Flavor & Fragranceの大手であるFirmenich社が買収することで両社合意に達したとのニュースが話題を呼んでいる。

Firmenich to acquire flavor developer Senomyx
Food Business News 17-Sep-2018

$1.5/株(Senomyx発行株 48,338,277株)、43%プレミアでの取得。10年以上にわたるパートナーシップ関係があり、一緒になって、taste and nutritionをリードして行くとのこと。。サンディエゴに拠点を置くSenomyx社は、Firmenichの北米の研究開発組織に統合。Senomyxの research and development operationsは、サンディエゴに残る予定。Senomyx社は、最近、羅漢果由来の高甘味度成分”Siratose”の開発を進めている。

 

Layn-Firmenich partnership will expand distribution, boost sweetener formulation expertise
Foodnavigtor 17-Sep-2018 at 09:00 By Stephen Daniells

他方、Firmenichは、広範な天然甘味料ポートフォリオ(portfolio of monk fruit, stevia extracts and other functional botanicals)を有する中国のLayn社との提携も発表。Firmenichのthe best formulation expertiseを活用して天然甘味料をグローバルに展開することを目指すとのこと。Firmenichにとっては、業界で最も幅広い天然甘味料製品にアクセスできることになり、Laynとの提携は、game-changing partnershipであるとしている。Firmenichは、Laynの天然甘味料素材をtaste modulation technologies と flavorsを組合せて、砂糖のような甘味プロファイルと食感を実現する“integrated taste solutions”を開発して行くとの報道が同時期なされている。

Clean labelやNaturalトレンドの影響で、低カロリーの天然由来高甘味度甘味料が求められており、天然甘味料Steviaの新製品での採用率が増加していると聞く。また、課題であった後味も、味質の良いStevia 成分であるReb. MやDが開発されている。Firmenichは、Senomyx社の買収と、天然甘味料の広範な製品群をもつLayn社と提携することによって、天然甘味料領域で、かなり大きな存在になると思われる。従来のflavor製品との組合せによるソリューション提案も、さらに充実してくるのではと思えます。天然甘味料の開発競争とシェア争いがどうなるのか注目したいところです。

 

 

 

 

 

Future Food-Tech 2018: 有望なStart-up 13社

Future Food-Tech Summitは、international innovation and investment summitのことで、ロンドン、サンフランシスコ、ニューヨークで毎年開催される。新鮮な発想、新しいソリューション、食品の未来を変える企業間の潜在的なパートナーを求めている投資家や世界の食品企業に不可欠なイベントになっているとのこと。2018年は、ロンドンで開催予定(10/18-19)で、世界の食品業界が直面する重大な問題に対処する技術の活用に焦点を当てたイベントになるとのこと。これに先立って、技術革新をもたらしていると注目されている国際的なStart-ups13社をノミネートしたことを発表。
下記記事に13社が紹介されています。

Start-ups in the spotlight: “Breakthrough” innovation nominees for Future Food-Tech 2018
Foodingredientsfirst 11-Sep-2018

 

■ 選出された13 Start-ups (各社のURLも記載)
•Amai Proteins(イスラエル):


thaumatin (E957)を始めとする甘味タンパク質設計。healthy (zero calories, zero glycaemic-index), widely-food-compatible, cost-effective, non-GMO and taste like sugar。thaumatin, brazzein, monellin, mabinlin, miraculin, curculin などの甘味タンパク質と、砂糖やステビアとのコンビネーションで味質の向上も図る。

 

•Triton Algae Innovations(米国):

人間の栄養改善を図る栄養価の高い微細藻類粉末(chlamydomonas reinhardtii)。scalable and sustainable manufacturing processを開発(独自の低コスト生産手法)。藻類を原料とする独自のバイオテクノロジーツール。colostrum proteins (初乳タンパク質、免疫タンパク質) やheme-binding proteins(meat analog用)も開発中。

 

•Nutrition Innovation(シンガポール):


healthier, less refined, industrial low GI sugar as a replacementとなる砂糖代替の開発。天然成分に由来する甘味料技術の開発。ブランド名:Nucane。複数の特許。healthier sweetening solutionsも提供。既に、国内とブラジルとオーストラリア向けに生産、販売、消費。

 

 

•Alkinnov(フランス):


高甘味度タンパク質、スーパーフード、フレーバー、その他の天然添加物で栄養市場に革命を起こすことを目指す。eco-friendly and GMO-free robotized process of plant biostimulation.

 

•Ambrosus(エストニア):


食品、医薬品企業向けのブロックチェーンを活用したIoTネットワーク。サプライチェーンの可視性と品質保証を最適化。

 

・Astrona(US):


easy-to-use, hand-held pathogen detection device。特許取得済みの病原菌のRNAを検出技術。培養工程なしで細菌、ウイルスおよび菌類の検出可。

 

• BluWrap(米国):


品質を損なうことなくサケや豚肉などの新鮮なタンパク質のshelf lifeを大幅に延長する技術。

 

• Chefling(米国):


在庫管理、直感的なレシピ提案、ショッピングリスト管理、音声アシスタントをシームレスに統合するAIプラットフォーム。究極のsmart kitchen solutionの提供。家庭での調理経験を簡素化。

 

• Ederna(フランス):


独自の低温液体濃縮技術で、濃厚な風味のコールドブルーコーヒースーパー濃縮剤COFFEOSを製造。

 

• FlavorWiki(スイス):


食品や飲料業界向けに設計されたユニークなconsumer insights and data management solution。バリューチェーン全体で、デジタル技術と数学的アルゴリズムを組み合わせて、実行可能なconsumer insightsを予測するアプリ。

 

• Savormetrics(カナダ):


独自のセンシング技術。食品から生化学的および生物物理学的データを抽出。データはAIモジュールに送られ、feature engineering and machine learning で、在庫予測、収穫時期、有害化学物質の検出、品質プロファイリング、味プロファイリングなどを提供

 

• Startchy(レバノン):


shelf life延長を目的にしたstarch-based bio-plastic coating for fruits and vegetable

 

• Veg of Lund(スウェーデン):


ジャガイモと菜種油をベースにした特許取得済みの耐熱エマルジョン。 plant-based liquid food solutionsの提供。

 

どのStart-upも、最近の食品業界で話題になっている課題に対するソリューションを提供しようとしている企業で、注目度大であると思う。今後、どのように事業展開して行くのか注目していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネーミングの行方:”Cultured meat” or “Clean meat”?

細胞培養技術などにより、肉様のものを製造しようとする動きがある。Sustainabilityの観点からの取組みとされ、いくつかのstart-upが上市に向けて凌ぎを削っている。Cultured meatとか、cell-based meat、lab meat「培養肉」などと呼ばれてきた。Bill Gatesなど、シリコンバレーの資金がこの技術開発に注がれていると聞く。当初、コストがあまりにもかかり、実用化が難しいのではと言われていたが、技術開発が進み、次第に実用化が近いのではという声も聞かれる。この話題については、いろいろな要素が含まれていて、簡単には述べることができそうにありません。後日、各社の技術内容について、ゆっくり記載したいと思います。

今回は、実用化はまだ先のように思われますが、米国でそのネーミングについて、レギュレーション問題も絡んで論争が始まっているというニュースが、このところ散見されるので、いくつか取り上げてみたいと思います。

 

Memphis Meats, NAMI: FDA and USDA both have roles to play in regulating cell-based meat and poultry

Foodnavigator 23-Aug-2018 at 20:36 By Elaine Watson

 

Memphis meat社(培養肉のStart-up)とNAMINorth American Meat Institute)が、トランプ大統領に宛てた書簡の中で、White House, USDA, FDA, and both conventional and cell-based meat and poultry industry stakeholders間で、cell-based meatに関する規制と呼称をどうするかについて協議するよう提案しているとのこと。肉および家禽の規制については、長年FDAUSDAは協力して対応してきた。FDAは、cell culture technologyを用いて製造した製品の安全性評価の能力があり、USDAは、長年、肉製品および家禽製品の検査に従事してきた。FDApre-market safetyが確認された後、USDAcell-based meat and poultry productsを規制し、適切にラベルされるのが良いと提案しているとのこと。呼称については、動物細胞培養による製品であることを記述するため‘cell-based meat and poultry’とするとの案。US Cattlemen’s Associationも、FDAUSDAと議会が、それぞれの管轄で協力して決定するべきとしている。米国は、この cell-based meatsも含めて、タンパク質製品の世界のリーダーであるならば、規制上の明快さがなければ、その地位を維持できないとの見解。IFT年次会議で開催された教育セッションで、管轄問題について協議されたことを受けて、最終的には、得手、不得手があるので、規制については「USDAFDAとの共同作業」で行うべきという方向に向かっているという記事内容。

 

もう少し砕けた内容の下記記事では、次のように表現されています。

 

 「培養肉」か、それとも「クリーンミート」と呼ぶべきか? 白熱するネーミング論争

Wired 2018.08.10 FRI 18:00

 

「培養肉」と呼ばれた人工肉のネーミングをめぐり、議論が巻き起こっている。米国では、管轄官庁がFDAなのかUSDAなのかによって、「肉」の定義が異なることや、上市後の規制の仕方が大きく変わってくるとのこと。開発を手がけるスタートアップはイメージ向上のために「クリーンミート」という名称にしたいことなど、色々な要素がある中、議論されている様子が記述されています。 

様々な記事に当たると、これは「肉」と呼んで良いのかという視点で議論から始まって、次第に、start-upsが推す“Clean meat”に向かっているような印象です。 

培養肉と、Impossible foods のように“培養肉”を使わず、既存の植物タンパク質をベースに肉様の製品を製造している場合も一緒くたになって議論している感もありで、もう少し原料と製法を整理した論議が必要そうに感じます。

 

 

 

ショ糖の造粒構造による減糖技術

減糖技術の一つとして、ショ糖の造粒形態(構造)を変えるという技術の開発も進んできているように思います。

Foodingredientsfirst 03-Sep-2018

 

この記事では、Südzucker (欧州砂糖製造業者) DouxMatok developer of targeted flavor delivery technology )が、“breakthrough sugar reduction solution を事業化するためにパートナーシップを締結したことを伝えていますイスラエルのDouxMatok 社が開発したSiO2のナノサイズ粒子にショ糖をコーティングした甘味料(US8911806B2などsugar sensory profileは同じままで、食品中の砂糖含量を40%低減可となる技術。こ素材の実用化が提携の目的no aftertaste 、色食感への影響めて砂糖機能維持伝統的に砂糖を多く含むレシピやケーキなど、乾燥した用途では非常に有効で、他領域への展開を徐々に進めて行く予定(not efficient in sodas, sauces of dressings currentlyとのこと。 

構造的に、粉体のままでの用途ならかなり有用であることは想像できるとして、加工工程や飲料など、一旦溶解して使用するような場合でも、甘味度を落とさず活用できるのかが課題と考えます。同様のことが、Nestleが開発した新規なショ糖の造粒技術によって製造される砂糖(中空構造を持つショ糖顆粒)も同様の課題があると思います。

26-Mar-2018 at 11:57

Nestleが、砂糖構造に関する画期的な発見(中空構造ショ糖特許)を利用した最初の製品を、“2017 Nestlé in society – Creating Shared Value report”でコミットしていて、2018年半ばに販売する見込みであることを記載しています。舌の上で、すばやく溶けるrestructure sugar crystalsで、Naturalで、40%まで減糖可となる技術とのこと。2018年には、2,100tの砂糖減になる見込みとのこと。英国とアイルランドで、ミルキーバー「Milkybar Wowsome」(糖質が30%少ない高価格帯商品)から開始。、現時点では、新型砂糖の使用は飲料でなく菓子に限られているとの記載があります。やはり、液体での使用に課題があるのではと思えます。

何れにせよ、「コロンブスの卵」的なDouxMatokやNestleの技術は、どこまで用途拡大できるのか注目したいと思います。

Amyris/sugarcane-derived zero-calorie ingredient

目にとまった食品素材に関するWebニュースについて、概要と感想を記載して見ようと思い立ち、ブログを始めることにしました。

まずは、甘味料についてと思っておりましたら、以下の記事が入ってきました。

Foodingredientsfirst 06-Sep-2018

砂糖税とClean label、Naturalトレンドなどを受けて、天然物由来の低カロリー高甘味度甘味料の開発に各社注力していることが窺えます。そのような中、合成生物学を得意とするバイオ化学企業Amyrisが、サトウキビ由来のゼロカロリー成分でself-GRASを通したとの意味深長な発表をしているとのこと。

Amyrisは、zero-calorie sweetener made from sugarcaneについて、self-GRASをパスしたとのこと(記事では、すぐ販売のニュアンスだが、多分まだFDAの受理レターは受けていないものと思われる)。” new, natural, zero-calorie sweetener”と表現。12月のofficial launchまでには、詳細情報開示する予定。世界的な2つのleading sugarcane playersのうちの1社と提携。sole ownerで、世界的なthe leading sweetener solution companies のうちの数社を介して入手可。the new non-GMO, natural ingredientで、tabletop sweetenersとしてや、大抵の飲料、その他の用途で使用可であることを確認済み。最も安価な natural sweetenerとして市場に投入とのこと。味は、just like sugar。2017年5月、DSMはAmyrisにUS$25 million の初期株式投資を行い、12%の株式保有に転換しており、この甘味料の恩恵を受けるはずで、DSMの健康・栄養・材料における市場戦略や持続可能資源由来の(bio-) natural-like productsへのシフトをAmyris技術が加速することになる。Amyrisにとっては、DSMのチャネルと市場へのアクセス、動物栄養、人間の栄養および消費者健康市場の理解は、戦略的価値を提供(2017/11には、Amyris Brasil LtdaをDSMに売却。farneseneなどAmyrisの大量生産製品の長期的な製造パートナーシップを確立し戦略的提携を強化)。記事後半には、最近公表されているの下記天然低カロリー素材について記載されている。

  • Tate & Lyle : allulose product.  low-calorie sugar found in wheat and fruits such as figs and raisins. 95 percent fewer calories than sucrose.
  • Cargill and Sweet Green Fields :Reb M+D(この記事に記載はないが、DSMも同様の開発)
  • Magellan Life Sciencesis:scaling up their production of brazzein
  • Südzucker, and DouxMatok:“breakthrough” sugar reduction solution. Sugar molecules on a mineral carrier. Reduction up to 40 percent of the sugar content in various food products

天然に存在する低カロリー高甘味度甘味料の開発競争が激しい中、サトウキビ由来のゼロカロリー成分。どんな構造で、何故これまで見つかっていなかったのか、最終的には合成生物学を使った製造法をとっているのかなど、謎めいた感じ。記事通りの内容であれば、業界への影響力大と思われるので、詳細な情報開示が待ち遠しいです。