アクリルアミド低減酵母

Kerryが、Self affirmed GRASを取得しているRenaissance BioScience Corp社のnon-GMO acrylamide-reducing yeast enzyme, “Acryleast”について、ライセンス契約を締結とのこと。2019年Q1発売予定。Acryleastは、ビスケット、クラッカー、フライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、幼児食品などの食品や飲料製品のアクリルアミドを最大90%まで減らす天然の非GMO酵母由来酵素。EUにおける2018年4月施行のアクリルアミド規制(packaged foods中のアクリルアミド量の制限と製造業者が製品中のアクリルアミドを厳密に検査し低減することを定めた法律)への対応。baked goods, snacks and processed potatoesでのAcryleastのアプリケーション開発に注力する目論見。no impact on flavor, aroma and textureとのこと。

■ Renaissance BioScience Corp. (RBSC) http://www.renaissancebioscience.com/
Renaissance BioScience Corp. develops proprietary yeast-based technology solutions for food and beverage manufacturers worldwide. Our current products include commercially available yeast strains that prevent the formation of two separate and significant naturally occurring contaminants: acrylamide in carbohydrate-rich foods and coffee, and hydrogen sulfide in wine, beer and cider.

■ Acrylamide management is becoming a big concern for the industry.
 This license agreement is quite timely given new EU acrylamide regulations, which came into effect in April 2018, marking the beginning of the law which limits the amount of acrylamide allowed in packaged foods and forces manufacturers to closely examine and reduce acrylamide levels in products.

これまでの報道では記載がなかったが、“Acryleast”の技術ポイントは、アクリルアミド発生の原因となるAsnのAspへの加水分解を触媒する酵素Asparaginaseの活性が高い酵母ということであろうと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Revorn社 : 香りをAIで「見える化」

香りをAIで解析し課題を解決。REVORN社が畜産・飲料・医療で実証実験開始とのこと。

REVORN(レボーン)社が、世界中のあらゆる“香り”を集めて、データ化することで香りや匂いを「見える化」することを目的とするiinioiプロジェクトを展開しているとのこと。独自開発の香りセンサー「iinioi® Sensor」と香りに特化したAI「iinioi® AI」が技術ポイント。畜産・飲料・医療などの各分野の課題を、嗅覚技術(Scent Technology)で解決するプロジェクトとアナウンス。「iinioi® Sensor」は、高精度の香りセンサー。水晶振動子とAI、感応膜などを組み込み、ある特定の香りを分子レベルで計測することが可。「iinioi® AI」は、香りデータの学習に特化したAI。香りセンサーで取得した情報をAIに学習させることにより、香りデータからさまざまな情報を導き出すことができるとのこと。香りの数値をデータベース化することは世界初の試みで、数値化された香りのデータベースとしては世界No.1と主張。まずは、畜産・飲料・医療の3分野で、品質管理や早期のリスク検知を行うことを目的として、各現場の空気の香りをAIにより分子レベルで解析する実証実験を開始する模様。詳細は、プレスリリース参照。

従来からあるElectric noseの高精度版というような感じですが、AIと組み合わせることによって、データベース化と学習から、香りのプロファイルをより細かく認識・表現できるようになるのだろうと思われます。数値化された香りのデータベースとしては世界No.1とのことで、様々な香りを、どの程度まで識別したり、思いの香りを設計することができるのか試してみたい気がします。個体(中)や液体(中)の香り成分も計測できるような前処理装置もあると良いと思われました。

Revornプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000038832.html

Revorn社:http://revorn.co.jp/
「iinioiとは、香りのコンシェルジュが、あなたにピッタリの香り・匂い商品を
探してくれる世界初の“香り×人工知能”アプリです。
世界中のあらゆる“香り”を集めて、データ化することで香りや匂いを「見える化」することを目的に、iinioiプロジェクトは始まりました。本プロジェクトでは、香りのデータ、環境データ、ユーザーの感性データ等の様々な情報をもとに、香り(匂い)の分析、検証、ユーザーの嗜好を分析・学習し続けることで、「心地よい香り」が私たちのライフスタイルを豊かにしていくことを目指しています。」とPR。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食品品質の発酵コラーゲンが登場するか?

Geltor – a San Leandro-based start-up producing collagen proteins via microbial fermentation for the cosmetics industry – is gearing up for the 2020 launch of commercial quantities for the food industry after completing an $18.2m Series A round led by Cultivian Sandbox Ventures and supported by GELITA, ADM Ventures, Cavallo Ventures and Box Group.

コラーゲンを微生物発酵で製造するGeltor社が、2020年に食品品質の発酵コラーゲンを発売するため、$18.2mを調達とのこと。Geltorは、synthetic biology techniquesを活用して、 動物性コラーゲンとnature identical なコラーゲンの製造や、tailored nutritional and functional properties (eg. different stiffness or melting properties or amino acid profiles)を有するhighly customized proteinsの製造を目指して設立。 agar, pectin, starches, and gumsのようなvegan用ゼラチン代替はあるが、ゼラチンとは物性が異なる。cosmetics, confectionery, sports nutrition or other industriesでは、①(動物性コラーゲンで限られた範囲での製品開発をしてきたので、)highly customized proteinsの必要性。②動物由来成分の除去(ハラール、コーシャ―、BSE対応) ③持続可能な供給源の探索というニーズが存在。コラーゲンが、動物由来であることを知る消費者は31%程度。2020年までにGRAS認定を目指すとのこと。

BSE問題が大きく取り上げられて以来、動物性コラーゲンやゼラチンの使用が嫌われている。しかし、食品加工品、香粧品、医薬製剤などの製造において、コラーゲンやゼラチンの機能は必要なもので、同様な物性・機能を持った素材が求められている。①~③をクリアする素材ができてくると需要も大きいのではと考える。ただ、GMO-freeとしているが、発酵原料はGMO-freeだが、生産菌はGM技術を使っているということなら、消費者の受容性がどうなるのかを見極めたいところです。発酵ステビア(Reb. M、Reb. D)が市場に出てくる予定なので、それが、どの位浸透するかで判断できるのではと思います。

  • Geltor社: http://www.geltor.com/
    Geltor creates designer collagen and other high-value protein technologies that deliver unprecedented functionality and benefits.
    Geltor is bringing proteins like collagen into the 21st century with a combination of biology, protein optimization and fermentation.
    The Technology Behind Our Category-defining Animal-free, GMO-free Proteins
    Animal products are a thing of the past.

 

 

 

 

 

 

 

「食品の味」は著作権保護の対象にならず

EUの最高裁に当たる欧州司法裁判所(ECJ)が、食品製品の味は著作権保護の対象となる条件を満たさないとの判断を下したとのこと。

2007年、オランダのLevola社が、クリームチーズとハーブを混ぜた塗れるチーズ「Heksenkaas」を別名「witches’cheese(魔女のチーズ)」として開発・発売。その後、2014年にSmilde社という別のオランダ企業がHeksenkaasと似た材料で作った「Witte Wievenkaas」というチーズを「wise women’s cheese(魔女のチーズ)」という別名で販売開始。Levolaによると、Witte WievenkaasはHeksenkaasと同じ味だとして、Levolaは「wise women’s cheeseは著作権の侵害だ」としてSmildeを提訴。「食べ物の味は著作権で保護されるのか?」ということを巡って両者は係争。2018年11月13日に欧州司法裁判所は「味は著作権で保護できない」という結論を下したとのこと。著作権を主張するためには味が「作品」として分類できる必要があり。以下の2つの要件を満たさなければならないとのこと。

1:そのものがオリジナルの知的創作物であること
2:そのものに十分な正確さと客観性で識別可能な「表現」があること

基本的に食べ物の「味」は主観的なもの。味は、食べる人の年齢や好み、食習慣、食べる時の状況によって感じ方が異なるもので、2番目の要件を満たすことができない。また、2種類のチーズを食べた人が「似た味」「違う味」と別々の感想を述べたとしても、どちらが正しいかを測定するだけの判断基準も存在しない。よって、欧州司法裁判所は「食べ物の味について、1つの味が別のもう1つの味と異なると判別する正確かつ客観的な技術的手段は、現時点の科学では開発できない」として、Levolaの訴えを退ける結論となった模様。(GIGAZINE記事引用)

同じ材料や同じ調理・加工法によって作り上げられた食品でも、個々の食品で異なるものになっていくように思われます。分析で、それを証明することは、頑張ればできそうに思いますが、大変な労力と時間がかかりそう。でも、個々の食品の特徴を、何らかの形で保護したいと思います。如何に特許などで保護されたものにするか、知恵を絞った技術・素材の開発が必要だということでしょうか。