微粒子化タンパク質 : micronized pea and rice protein

機能性食品素材サプライヤーであるHealy Groupが、micronized pea and rice protein ingredients(“PrimaPro”)を4月発売予定とのこと。a novel, “world-first” mechanical manufacturing process で製造された ultrafine protein powderであるとアナウンス。

plant-based diets, sports nutrition and high-protein beverages and snacks用のタンパク質素材(タンパク質 80%以上)。スポーツ栄養分野のタンパク質に関する技術革新が新製品開発を後押して成長。2017年、食品・飲料の新製品の5%以上がプロテインをクレーム。2013 – 2017年のCAGR 29%。動物由来と植物由来のタンパク質の両方ともアップ。PrimaPro micronized pea/rice proteinsは粒径は、D90(90%粒径)が 100 micron+の標準値のものから、25 micron未満の独自クラスまでに微粒子化されたMicronized proteins:微粒子化タンパク質。テスト販売では、a smoother, less gritty texture, improved particle suspension, cleaner flavor profiles and enhanced emulsification capacity、less bitterness、a more homogenous mixture and smoother textureとの評価。specialized mechanical milling processで微粒子化するが、protein content and amino acid profileは維持。PrimaPro シリーズ:基材として Pea, Rice and Pea and Rice blend from Pea Protein/Rice Protein Concentrateを含有。”PrimaFi”,  a micronized fiber productも開発中とのこと。

 

specialized mechanical milling processが、どのような工夫がなされた微粉砕機なのか不明であるが、a novel, “world-first” mechanical manufacturing process と謳っているので、どんな技術なのか知りたいところです。かつ、微粒子化粉末にすることによって、機能特性、食感、風味などが改質されている様子。pea and rice proteinの配合は、アミノ酸スコアを100に近づけるように配合比を設計していると思われ、タンパク質含量が80%以上としているので、タンパク質素材としては、味と機能特性が良ければ、かなり使えそうな印象を受けると思われました。

■ Healy Group:https://healy-group.com/

■ 今さら聞けない粒子径・粒度分布の基礎 【装置の基本構成・測定手順・メンテナンス】:

http://www.horiba.com/fileadmin/uploads/Scientific/Photos/PSA/Education/PSA2015-1.pdf

場製作所が作成した上記資料が、粒度や粒度計に関して簡潔に説明されていてわかりやすいと思いました。

 

 

 

藻類によるヘムタンパク質の製造

藻類由来のたんぱく質生産プラットフォームを保有するTriton Algae Innovations 社が、遺伝子組み換え技術を使用しないHeme(Impossible Burgerのred, meaty-tasting star ingredient)の製造法を開発したとのこと。

Triton社は、緑色藻類 Chlamydomonas reinhardtii をUV処理で、Hemeを生成させて赤色に変換。Chlamydomonas reinhardtii は、自然にhemeを生産することができるが、chlorophyllと同じ経路であるため、chlorophyll (緑色) or heme (赤色)に転換する前駆体を持っているとのこと。伝統的な育種方法で、Heme産生の高収率品種を開発したとのこと。収穫・分画された藻類細胞から抽出しても良く、他の成分が必要なら全藻類成分を使用することも可。Impossible Foodsは、GMO(正確にはGMM)であるleghemoglobin を使用しているので、Non GMO Project Verified stampとならない。よって、Non-GMOを求めるplant-based meat brandsは、藻類由来Hemeに興味を持つだろうと見込んでいる。また、Impossible Foodsは、多くの時間と費用をかけて、酵母発酵で得たleghemoglobinをGRAS notification(securing a ‘no questions’ letterと記載)とし、食品添加物申請もしている。Triton 社は、 GRAS determination(パネラーがOKした状態)を短期間で取得できると見込んでいる様子。表示は、抽出hemeのみか、 whole cell algae ingredientで異なると考えているとのこと。San Diego に100kg製造可のパイロット施設を建設して、関心のあるplant-based meat companiesにサンプル供給予定。食品・飲料業界をターゲットにした最初の製品は、“sweet parsley”に似た必須アミノ酸、オメガ-3脂肪酸、繊維、鉄およびカルシウムを含むタンパク質に富むNon GMO ‘wild type’ whole algae ingredientで、食品・飲料業界から大きな関心を集めているとPR。(synthetic biologyやgene into [the chloroplast genome of] of Chlamydomonas reinhardtii導入も検討している模様)。

 

Impossible Foods社の”Impossible burger”の大きな技術ポイントは、大豆中のヘモグロビンであるleghemoglobinを、遺伝子組み換え技術を用いて発現し、それを植物たんぱく質ベースの製品に添加していること。leghemoglobinが、生肉のような赤色を呈し、加熱の際は、肉用風味の生成にも寄与しているとアナウンスされている。Triton社は、non-GMOのヘムタンパク質を提供すれば、顧客は藻類Hemeを選ぶだろうという見込み。しかし、”Impossible burger”の成分表を見ると、その他にも、技術的な工夫がなされているように思われる。単純に、植物たんぱく質を主体とした配合物に藻類hemeを添加したとしても、肉様の味、香り、食感にはならないと考える。Impossible Foodsの特許を見ると、様々な試みの結果であることがわかる。顧客が、藻類hemeを使いこなして、肉様製品を形成する技術を持っているか、あるいは、Triton社自身が、そのような技術の開発をしなければならいのではと推察する。技術の切磋琢磨を期待したい。

 

【関連情報】

■ Triton Algae Innovations : https://www.tritonai.com/

(2013年UC Davisからspin off. Chlamydomonas reinhardtii のタンク培養でosteopontinを製造)

■ Triton社技術の紹介サイト: https://www.tritonai.com/tritons-alternative-meat

 

Avansya 社: 発酵ステビア甘味料のためのCargillとDSMの合弁会社

CargillとDSMが、2018年11月8日に50:50の合弁会社、Avansya 社設立意向を発表。DSMのBiotech Campus Delft (Netherlands) に本社を置き、“zero-calorie, great-tasting sweeteners through fermentation”を製造・販売するとしていた。ここへ来て、”EverSweet” brandでの販売開始に向けて準備が急ピッチで進行中の様子。

highly sought-after, sweet-tasting moleculesであるReb M and Reb Dを発酵生産。抽出法による製品よりも、more scalable, sustainable and low cost-in-use solutionを提供可。 Avansya社が、 EverSweet brandで販売。2019年夏に、発酵原料供給地に近い米国BlairのCargill siteに発酵工場新設。Cargillと提携関係にあるEvolva社との関係は変わらず、EvolvaからのReb M and Reb Dの供給もある模様。EverSweetの世界市場での拡大を加速するのに必要なためとのことで、新設工場とEvolvaの両方からの供給体制を取るということだろうか?

合弁事業としてのEverSweet brandの発売は今夏以降になるのだろうが、Cargill-Evolvaの提携関係で開発してきたReb. M+Reb.D(ステビア中に極微量存在するReb.MとReb.Dの適切な配合で、味質が良く、かつ、後味のよい甘味料製剤になるとしている)もEverSweetという製品名での発売も発表されていたと記憶。それが、既に発売済みなのか否かとその販売状況が知りたいところです。Evolvaの増産計画もアナウンスされており、Cargill-Evolva, DSM, それぞれの立ち位置がどんな感じなのかや、さらにAmyrisもReb. Mの発売を予定しているということなので、発酵ステビア甘味料というカテゴリーがどのような姿になっていくのか興味深い。また、天然物を合成生物学的な手法などを駆使して発酵生産した発酵「天然物」に対する消費者のperceptionがどんな感じになるのか見てみたいところです。

【関連情報】

■ DSM:バイオテクノロジーセンターをオランダに新設:https://www.dsm.com/countrysites/japan/ja_JP/media/press-releases/2017/05/new-biotech-center-delft.html

研究開発拠点『the Rosalind Franklin Biotechnology Center』をオランダのデルフトに開設

■ Sweetness joint venture: Cargill and DSM partner to establish Avansya:https://m.foodingredientsfirst.com/news/sweetness-joint-venture-cargill-and-dsm-partner-to-establish-avansya.html

■ Evolva agreement with Cargill unimpacted by major sweetness tie-up :https://www.foodingredientsfirst.com/news/evolva-agreement-with-cargill-unimpacted-by-major-sweetness-tie-up.html

The Swiss-headquartered company has stressed that Evolva’s royalty rights on EverSweet and their existing agreement with Cargill will remain unchanged as a result of the upcoming joint venture.

 

Symrise: meat-free alternativeトレンドへの対応_Protein Center of Excellence

Symriseは、嗜好要因(おいしさ)を維持したままのtaste profilesを与えるmeat-free alternativesという世界的なトレンド(meat-free products that taste good)に対処するとのこと。

個々のソリューション開発と、様々なalternative protein-based product のtexture, appearance, juiciness, mouthfeel and tasteを作成するとのこと。Symrise本社(Holzminden)にある“Protein Center of Excellence”で、alternative proteinsをベースにした製品のauthentic taste solutionsの開発を、flavorists, food technologistsとchefsが協力して進めているとのこと。bitterness, cardboard aromas, astringencyやそれらが組み合わさった‘off-tastes’が課題。Pea protein利用顧客多いが、Symriseは既にこの領域で良い成果出しているとのこと。plant protein burger patties用やインドのベジタリアン料理を参考にした食欲をそそる味を有するculinary protein meals用製品の発売を計画。plant-based foodsのトレンドが長期化・安定化し、ニッチ市場を形成することを期待。alternative proteinは、plant-basedだけでなく、昆虫など他のソースも視野。Vegan向けの新規食品・飲料:年間平均成長率45% (CAGR 2013-17)。plant-based meat alternatives: 11%増 (CAGR 2013-2017)。Innova Market Insights の2019年トレンドのNo.2は、 “The Plant Kingdom”とのこと。alternative protein-based productsであれば、 sensory and tasteが課題。Symriseは、pea, soy or rice proteins製品に、すべての好ましい面を含むtaste profileを提供可で、「玉ねぎ」が最も重要なソースの一つとのこと。more naturalnessの提供に努める。特定の市場についての最終製品のためのtaste solutionss.を“Protein Center of Excellence”で開発している模様。要望に沿えるtaste solutionを、sustainable ingredientsで提供するとする下記のような抱負が述べられている。

From consumer preferences, creativity and intensive research to culinary innovations. With our integrated taste solutions, we are contributing to the introduction of more sustainable ingredients in people’s diet.

 

■ Best taste for alternative proteins: https://www.symrise.com/newsroom/article/best-taste-for-alternative-proteins/

Symrise Protein Center of Excellenceというmeat-free alternativesのためのtaste solutionsを研究・開発する組織を設立した様子。他のF&Fやサプライヤーも、Nartural, Clean label トレンドやSustainabilityの観点での素材開発を進めていると感じる。元々 flexitarian である日本人にとっては、plant-based foodsを摂取するべきと言われても、ごく当たり前のことに感じて、肉食を主としてきた欧米人のようにmeat-free alternativesブームに真剣に取り組もうという気になれないのは、自分だけだろうか?しかし、このトレンドは、3~4年前か継続しており、今後も長く続き、定着していく気配がする。大手の素材メーカーは、挙って天然素材メーカーを買収し、その周辺を固めていっているに感じる。豆腐、納豆、植物たんぱく質製品など、身の回りにplant-based foodsが常にある日本でも、同じ素材が必要とされる時が来るのか注目したい。

 

■ Top trend for 2019 by Innova Market Insights
https://www.foodingredientsfirst.com/news/food-discovery-the-adventurous-consumer-tipped-top-trend-for-2019-by-innova-market-insights.html

Top trend for 2019 by Innova Market Insights

1. Discovery: The Adventurous Consumer
2. The Plant Kingdom
The plant-based market shows no signs of slowing down and companies and brands are greening up their portfolios to attract mainstream consumers who want to add more plant-based options to their diets. For the mainstream consumer, going plant-based is about achieving a healthy and sustainable balance between meat and vegetables, rather than adopting an all-or-nothing way of eating.
3. Alternatives to All
4. Green Appeal
5. Snacking: The Definitive Occasion
6. Eating for Me
7. A Fresh Look at Fiber
8. I Feel Good
9. Small Player Mindset
10. Connected to the Plate

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

植物由来の天然赤色色素 (Carmine alternative )

Chr. Hansen(Commercial Development, Natural Colors Division)が、10年間にわたる伝統的な育種プログラムの結果、昆虫(コチニールカイガラムシ)由来の天然赤色色素であるcarmineに代わるnatural red alternativeを産生するサツマイモ新品種Ipomoea batatasを商品化。このサツマイモ由来色素製品4種を発売予定(① A powder. ② A more pinkish-red, cost-effective blend with more black carrot inside. Two blends with safflower which produce: ③ A bright tangerine orange and; ④ A red with a more orange tone.)とのこと。

natural colorの需要増に伴うcontingency plans(緊急時対応策の意か?)となるため、ラテンアメリカでの通年収穫の生産とし、需要予測に合わせて毎月の生産計画を微調整することも可とのこと。育種された後、取扱い、運搬法、抽出法などを完成させ、植物を基調とした鮮やかな赤色色素が得られ、carmineや合成色素に代わる天然代替品とすることができたとのこと。Carmineなしでは、off-tasteするリスクなしに作ることができなかったfire-engine red colorを作り出すことができるようになったとのこと。表示は、米国では“vegetable juice (color).”  EUと残りの国々では“sweet potato concentrate”となる。多くのアントシアニン類は、pHの影響大だが、この色素は、他のアントシアニンに比して安定。精製品は、bright red でブレンドで様々な色を作ることが可。“Color is key in food, not only of flavor and quality, but also of emotions and feelings.” Clean labelトレンドは継続しており、「Clean lable」で13%のCAGR。Clean label製品は、2017年の世界の新規飲食品発売の29%。食品・飲料メーカーは、このトレンドに合わせて製品開発をする clean label strategy をとっている。他方、Chr. Hansenは、 carmineの世界No.1サプライヤーでもある。Carmineは、昆虫由来の最も安定なbright red and pink colorの供給源。昆虫食に対する理解が深まれば、これまで以上に普及する可能性もあるとChr. Hansenは見ているとのこと。

 

Natural, Clean label, Plant-basedといったトレンドがここ数年続いている。sustanabilityの観点も加わるため、植物性の天然素材が好まれている。伝統的な育種法を用いて、10年かけて開発したとのこと。non-GMOとしたいという想いもあったのだろうと思う。”Natural Colors Division”という部署名をかけての開発だったのかもしれない。自然のものが、全て安全で、体に良いとする考え方には落とし穴があるように思うが、自然に学び、活用することは重要と考える。Chr. Hansenの地道な努力に拍手したい。

 

BCAA(分岐鎖アミノ酸):米国消費者の製品当たりの平均レビュー数No.1

スポーツ栄養学の市場アナリストLumina Intelligenceのデータによると、米国では、BCAA製品が米国消費者の間で製品あたりの平均レビュー数が最も多いことを紹介している記事。

BCAA(branched chain amino acids、分岐鎖アミノ酸)がさまざまな分野でベネフィットをもたらす多くのevidenceが存在するため、トレーニング前後のためのBCAAを含む製品が作り出されている。Online reviewsによって、ブランドとの関わりを持たせることで、新規顧客を引き込み、維持、追跡が可。Lumina Intelligenceは、ブログの中で、BCAAカテゴリーは、スポーツ栄養のなかで、‘fast mover’として特徴付けしており、オンラインで最高の平均評価を獲得。レビューの量ではprotein powderの次で、200ヵ国、300以上のBCAA製品が存在するとのこと。BCAA製品は、トレーニング前やpre-workouts and nitric oxide boosters のようなcore sports nutrition categories で使用。例としては、スウェーデンのBCAA缶入飲料“Nocco”、Optimum Nutritionの“Amino Energy”ラインなどあり、消費者へのvisibilityを高めているとのこと。スポーツ栄養市場が成熟している国々では、製品についてより厳しいレビューを受けるとのこと。中国>台湾>メキシコでは、the most positive reviews。他方、ドイツ>南アフリカ>日本>米国では、the harshest reviewsを受けている。negative reviewsは、期待値大の裏返しで、製品について熟知しているからとのこと。

 

製品ラベルにBCAAと記載されているものも多いので、「BCAA」の認知度は高いと感じる。「BCAA」は、branched chain amino acidsの略語で、分岐鎖アミノ酸のことであることも比較的知られているように思われる。分岐鎖アミノ酸は、分枝のある脂肪族側鎖を有するアミノ酸のことなので、タンパク質を構成するアミノ酸では、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)およびバリン(Val)の3種となる。この3種のアミノ酸は、筋肉たんぱく質との関係が深く、激しい運動でダメージを受けた筋肉タンパク質を修復することなどを証明するヒト試験データがあるようだ。そのため、トレーニング前後に摂取するBCAAを含む製品が多く発売されていると思われる。ドイツ、南アフリカ、日本、米国、では、厳しい意見が多いとのことだが、期待の裏返しと批評しているように、効果は期待できるようだ。ワールドカップに出場した日本人サッカー選手の空港での姿を映したTVニュースがあった。本田選手を始め多くのサッカー選手が、カートにBCAAを含む製品の段ボール箱を何箱も積み上げているのが印象に残っている。BCAAは、アスリートには必需品になっているように感じる。それが、一般にも広まっているのではと思われる。

ゲータレード(Gatorade)は、発汗に伴って失われるミネラル成分をバランス良く配合した製品。米国ストークリー・ヴァンキャンプ社(現在はペプシコ傘下)が製造・販売するスポーツ飲料の草分け的存在。現在は、スポーツ飲料も、プロテインやBCAAのように、運動にたんぱく質が重要であるという認識に対応した製品が多くなってきていると感じる。その点を意識してか、Gatoradeブランドを持つPepsiCOも、下記記事のように、protein shake製品の強化に動いているようだ。

 

PepsiCoが、フィットネス分野でpremium protein businessを展開している(既にdistribution partnerである) CytoSport社を買収とのこと。

CytoSport社は、‘the needs of elite athletes, active lifestylists and weekend warriors’に応える製品作りをしている会社で、製品ブランド:Muscle Milk protein shakes, Evolve free from dairy, soy and gluten), Monster Milk and Cytomaxを持っているとのこと。PepsiCoは、スポーツ栄養分野で専門知識と経験を持ち、CytoSportとは既にMuscle Milkブランドのdistribution partnerという関係。PepsiCoは、2018年at-home sparkling water brand のSodaStream、2016年kombuchaの Kevitaを買収。事業拡大を図っている様子とのこと。

■ CytoSport :https://www.cytosport.com/
CytoSport® and its family of brands help athletes of all ages and levels reach their full potential, providing products that help the body recover, rebuild and restore.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脂肪酸が第6 番目の基本味?

九州大学五感応用デバイス研究開発センター の安松(中野)啓子特任准教授、二ノ宮裕三特任教授らの研究グループから、「脂肪酸が第6 番目の基本味である証拠となる神経を新発見」とのプレスリリースが出ています。他の味とは独立して脂肪酸の味を伝える神経を鼓索神経の一部を発見として、Acta physiologicaに論文掲載されているとのこと。

九州大学 PRESS RELEASE 2019/02/05

脂肪酸が第6 番目の基本味である証拠となる神経を新発見
-今後の摂食行動・消化吸収との関連解明や食品開発へ影響大-

 

この発見は、甘味、苦味、うま味、塩味、酸味の5 つの基本味に加え、脂肪の味が6 番目の基本味である新たな証拠となるとのこと。受容体 GPR40、GPR120 やトランスポーターCD36 がげっ歯類の味蕾細胞に存在し、脂肪酸を受 容している可能性が既に示唆されていた。今回、マウス鼓索神経単一線維における応答を観察したところ、脂肪酸に特異的な応答を示す神経 線維が全体の約 17.9%存在することを確認されたとのこと。

脂肪酸独自の味を感知する味細胞で、重要な役割を果たすGPR120をノックアウトした GPR120-KO マウスを作成。正常型マウスでは、半数以上の甘味、うま味応答神経群が脂肪酸に応答するが、GPR120-KO マウスでは、脂肪酸に応答する神経が激減。味覚嫌悪学習を 用いた行動実験では、このマウスはリノール酸とうま味物質のグルタミン酸を区別できなくなったとのこと。よって、脂肪酸独自の味を感知する味細胞では、GPR120 が重要な役割を果たしていると示唆。 Acta physiologica にオンライン公開されているとのこと。

【論文情報】
タイトル: Fatty acid taste quality information via GPR120 in the anterior tongue of mice
著者名 : Keiko Yasumatsu, Shusuke Iwata, Mayuko Inoue, Yuzo Ninomiya
掲載誌 : Acta physiologica DOI :10.1111/apha.13215

 

油脂を含んでいる食品をおいしいと感じ、食べ過ぎると生活習慣病など、体に悪いと思いつつも、好んで食べているように思います。「油脂」は、体を作るに必要なものなので、「油脂」をおいしいと感じる機構があっても不思議ではないと思われます。脂肪酸に応答性を示す神経が、GPR120 受容体発現細胞につながっていることが示唆する内容と思います。GPR120の遺伝子情報は明らかになっているでしょうから、発現させたGPR120を用いて、油脂が唾液等のリパーゼにより分解され、脂肪酸となり、味細胞上のGPR120を介して、脂肪酸に特異的な応答を示す神経線維を通って脳に伝達されていること証明したり、どんな油脂が極めておいしいのかなど、色々な研究ができそうで、興味深い結果と考えます。味覚に関する造詣が深い研究グループにて、「脂肪酸が第6 番目の基本味である証拠」というタイトルに「想い」が感じられる内容と思いました。

Glanbia Nutritional社: 食品・サプリのための加工技術を持つWatson社を買収

Glanbia Nutritional社(Glanbiaの子会社)が、microencapsulation, agglomeration, micronizing, spray drying and edible film technologiesに関する技術強化のため、$89mで、Watson社買収とのこと。

Glanbia Nutritional社:proteins, custom nutrient premixes, cheese, bioactives, plant-based nutrition ingredients, flavors and micronutrientsを販売。2015年:nutrition bar brand “thinkThin”、2017年Dutch sports nutrition brand Body & Fit and superfood supplement brand Amazing Grass、 2018年:体重マネージメントブランド“SlimFast”($340 million)の買収といったGlanbiaの一連の動きの一つとのこと。

 

■ Watoson:https://www.watson-inc.com/
Watson is one of the highest quality suppliers of products and services geared towards enhancing human health and nutrition around the world. We are a leader in developing quality products and ingredient systems for the food and supplement industries

■ Glanbia Nutrition : https://www.glanbianutritionals.com/en
Our scientific expertise, consumer insights and operational know-how helps our customers make products that people love and trust. Whatever challenge you have, from making a better formulation, to improving your logistics, to finding new ways to grow, we can help

 

健康機能素材の中には、苦味や異風味を有するものが多かったり、溶解性が悪いために加工特性に問題があったり、口当たりがすぐれないことが課題となっている場合が多い。従って、microencapsulation, agglomeration, micronizing, spray drying and edible film technologiesといった技術は、健康志向が高まる中で、今後益々必要になる技術と思われる。Glanbia Nutritional社の製品ラインにもよく合致する技術と感じる。

Healthy Ageing APAC Summit 2019開催予告 (7/9~7/11,シンガポール)

FoodNavigator-AsiaとNutraIngredients-Asiaが主催して、7/9~7/11に、シンガポールで開催される “The second Healthy Ageing APAC Summit 2019”についての開催予告記事。

テーマは、アジア太平洋地域の人口問題に対する栄養と食品のソリューション。APACに、世界の高齢者(60歳以上)人口の約60%が住んでいて、この地域の高齢者の数は、2018年の6億人から2050年までには13億人近くに倍増すると予測されている。高齢者に適した栄養と食品の需要が急上昇する一方で、若年層にあっては現在の栄養と健康の選択が、高齢者になった時の生活の質に影響を与えると認識することが重要。このイベントの目的は、食品・栄養産業 が、“the rapidly ageing populations of today, and more crucially, tomorrow”にどのように向き合うかについてとのこと。
スピーカー:
Dr Jörg Hager, Genetics Lead, Nestlé Institute of Health Sciences
Belinda Reynolds, director of research, product development and emerging markets, BioCeuticals
Joy Beckerman, Regulatory Officer and Industry Liaison, Elixinol
Sandhya Sriram, CEO, Shiok Meats.

BioCeuticals:https://www.bioceuticals.com.au/
Shiok Meats:https://shiokmeats.com/
Shiok Meats is a cellular aquaculture and cell-based meat company, the first of its kind in Singapore and South-East Asia.
Elixinol :https://elixinol.co.jp/education/
ヘンプCBDオイル(動画:https://www.youtube.com/watch?v=Ej5VIkSz-UQ&feature=youtu.be

後援(現在のところ):Gencor、Beneo、Rousselot、Fitoplancton

 

急速に高齢化が進むアジア太平洋地域の国々。その中でも日本の高齢化率は最も高いところに位置する。Healthy Ageingを求め、様々な試みがなされていると思われる。日本の食品企業・研究機関などからスピーカーが出ていないのが残念に思う。まだ、大きく成功し、標準化できるようなものやシステムが見出せていないからだろうか?今回のイベント予告からでは、Nestleからどのような話題提供があるのか不明だが、他はサプリメントやcellular aquaculture and cell-based meat 、ヘンプCBDなどについての模様。トレンドを反映させた面白い組合せとは思うが、Healthy Ageingというよりは、他の世代での話題にしてもよいと感じる。高齢者特有の課題の解決法について議論する場になることを期待します。


上記のようなコメントを記載した後、本イベントに関する2回の更新記事が出ておりました。

キリン、TCI Gene、High Value Nutrition Challengeなどからも、スピーカーが送られるとのこと。

スピーカーは、以下の方々になった模様。日本からも、キリンから、プラズマ乳酸菌についてよく講演されている藤原大介博士のお名前がある。乳酸菌と高齢者の関係が語られるのだろうか?

スピーカー(3/29現在)

Dr Siow Ying Tan, PepsiCo’s R&D Global External Innovation Lead of Academic Partnership
Dr Daisuke Fujiwara, Deputy Director of Kirin’s Business Creation Department
Dr Chan Shu Ting, Chief Supervisor of the Nutrigenomic Department at TCI Gene.
Joanne Todd, Challenge Director at New Zealand’s High Value Nutrition Challenge.
Dr Jörg Hager, Genetics Lead, Nestlé Institute of Health Sciences
Belinda Reynolds, Director of Research, Product development and Emerging markets, BioCeuticals
Joy Beckerman, Regulatory Officer and Industry Liaison, Elixinol
Sandhya Sriram, CEO, Shiok Meats.
Dr Reshmi Rajendran, Director of Danone’s global R&I Precision Nutrition D-Lab.
Alexandra Jones, the George Institute for Global Health
Dave McCaughan, Founder, ai.Agency
Amit Srivastava, Founder, the Responsible Nutrition Association of India
Steven Bartholomeusz, Policy Director, Food Industry Asia

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Senomyx:羅漢果由来のhigh-potency sweetening compound、“siratose”開発

Senomyxが、羅漢果に極微量存在するzero-calorie, high-potency sweetening compound、“siratose”の発酵生産株を開発、POC( proof of concept)完了とのこと。

市販のmonk fruit extractsよりもはるかに優れ、Reb. Mよりも、more potent, better-tasting, more soluble, and more stable in low PH beverages such as carbonated soft drinksとアナウンス。現在、低レベルだが、“siratose”を産生する2株を取得。製品化に向けて、収率とコスト目標をクリアするため最適化を図る必要ありという状態。2019年末までに、GRAS notificationを受けられるよう計画。300万を超えるサンプルをスクリーニングし、「天然35 distinct familiesから300種のの甘味料」を特定、そのうちの一つが “siratose”。市販のmonk fruit sweeteners(Mogroside V)とは異なる新規化合物。「発酵」は、natural processだが、(合成生物学的手法を使っているので)消費者が’natural’と考えるかは不明。たとえば、遺伝子組換えパン酵母を使用した発酵プロセスによって製造されるCargillおよびEvolvaの”EverSweet”は、Reb D + Mまたはステビオール配糖体として食品ラベルに記載可だが、‘stevia leaf extract’と記載するのは不可とのこと。“siratose”と表示することになり、消費者には。’chemical’に聞こえるだろうというのがコンサル見解。消費者が持続可能性の利点について教育を受ければ、状況は変わる可能性もあるとのこと。

Senomyxは、2018年第1四半期に$3.1m の収益で$3.8m の純損失を計上、$18.1m のash reservesがあり、債務はない状態で、The company “continues to conduct discussions with third parties in its evaluation of potential strategic alternatives, including the potential sale of the company, with the ultimate goal of enhancing shareholder value,”(売却などを含めて検討しているということか?)以前、Flavor & Fragranceの大手であるFirmenich社がSenomyx社を買収することで両社合意に達したとのニュースを紹介した。その作業が進行していることを意味しているのだろうか?

最後の部分に予定と課題が以下のように記載されていて、Syn-bioを活用した天然物製造を考えている方には参考になるかと思いました。
■ A comparable product is Reb D+M being developed by Cargill and Evolva under the EverSweet brand, which Cargill has said in the past will not be actively marketed as a natural sweetener, although it is “chemically identical to what you’d extract from the stevia leaf.”
■ it would likely not require a GMO label under the new federal GMO labeling law if the micro-organism is used as a processing aid and is not present in the final sweetener.

 

合成物ライブラリーから味覚受容体を用いたスクリーニングで呈味物質や呈味増強物質を見出そうとしていたSenomyxであるが、Clean labelやNatural志向で、探索源を天然物ライブラリーに変更している模様。サンプル数の多さから、甘味受容体を用いる手法は維持していると思われる。化学構造に関する記載がないので、実際は不明だが、Monk fruit由来の極微量成分ということで、おそらく合成生物学的な手法で製造することになると考える。発酵法で製造するものの、生産菌は遺伝子組換え体となる。従って、消費者の受けとめ方がどうなるが気になるところとなるため、記事の後半は、そのような懸念について記述しているのだと思われる。同様な経緯を辿ってきた”EverSweet”が、どのように消費者に受けとめられ、どの程度の売上になっているのか知りたいところです。