Burger King: ”Impossible Whopper”(plant-based burger)の試売順調で、全米展開計画

Burger Kingは、セントルイス59店舗での“Impossible Whopper”の試売は非常に順調に推移し、有望な結果。近々、市場拡大してのテストを計画。2019年末には全米でのImpossible Whopper発売を目指すとのこと。

Burger Kingの試売に続いて、Red Robin、White Castle がImpossible Foods製品を発売することや、Del Taco , A&W, Carl’s Jr でのBeyond Meat 製品の発売は、“major milestone for the plant-based meat industry”とのこと。食肉の健康および環境への影響に対する懸念により、世界中で植物由来の食肉代替品の売り上げが伸びているとコメントしている。

 

Burger KingのImpossible Foods社が製造する植物タンパク質をベースにしたパテを用いて製造する“Impossible Whopper”の試売を開始。お客様からは、「肉でできていると思った。区別がつかない。」などの感想が寄せられていると報道されていたが、数量的にも目標をクリアした様子で、全米展開する予定とのこと。マヨネーズは、通常のものを使用しており、ベジタリアン用ではなく、通常のハンバーガーのラインナップの一つとして、選択肢を広げた格好。味や食感がそれ程変わらなければ、Sustainabilityを重要と考える人や、植物性の方が健康的と思う人が、購入するのだろうと思う。日本は、肉類一辺倒の食文化ではないので、どの程度受け入れられるか興味深い。尤も、大豆タンパク質製品がかなり浸透しており、何の抵抗感もなく、受け入れられる製品なのかもしれない。

 

 

 

Tagatose :a low-calorie, low-glycemic sweetenerの新製法

Illinois大が開発した、lactoseを出発物質にして、tagatose (a low-calorie, low-glycemic sweetener)に変換するよう設計された酵母株は、低GI甘味料の実用化の鍵となるかもしれないとの記事。

Tagatoseは、ショ糖とほぼ同じ味と食感で、カロリーはショ糖の40%、加えて血糖値をショ糖やフラクトース程上げないという機能あり(G値:Tagatose  3. ショ糖 68.フラクトース 24)。これまでは、galactoseをtagatoseに変換するmulti-step enzymatic processでの製造。酵素反応は、非効率的で、変換率30%。製造コストが高くなり、商業化されていないとのこと。Lactose⇒tagatose変換するよう設計。①lactose代謝で、cellular fuelとしてgalactoseを使用する酵母を育種。② galactose⇒tagatose変換に必要な2遺伝子を挿入。90% tagatose溶液として製造可。酵素プロセスに比して、大規模に処理することが可能。Greek yogurt製造で、大量のwhey wasteが出る。このwhey waste中のlactoseを間接的に使用可で、大幅コストダウンが期待できるとのこと。

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■ 本内容に関する論文:https://www.nature.com/articles/s41467-019-09288-6

Overcoming the thermodynamic equilibrium of an isomerization reaction through oxidoreductive reactions for biotransformation

Nature Communications volume 10, Article number: 1356 (2019)

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Nature communicationsに掲載されたIllinois大の論文内容に関する記事。Tagatoseは、低カロリー・ショ糖食感機能代替、低GI素材として、以前から多くの報告があるように思われる。大量・安価に得られるならば、利用価値大と考えられるが、コストがネックになっていた様子。大学のみの仕事で、まだ大量生産できる状態にはなさそう。また、Lactose(=Glucose+Galactose)は余剰原料であるwhey wasteから得られるとして、分子育種したパン酵母を作用させると、GlucoseとGalactoseに分解。生成したGlucoseが、Tagatoseに効率良く変換される。しかし、片割れのGalactoseは捨てることになるので、本当に安価に製造可なのか疑問が残る。トータルでの採算性を示して欲しいところです。

Allulose: FDA_no calories ・ no impact on blood sugarのため”added sugar”から除外

様々な甘味料の販売とアプリ提供を手掛けているIcon Foods社(甘味料専門ディストリビューター)のCEOが、各種甘味料の現状と今後について語っている記事。消費者が、砂糖代替甘味料に求める一番大きな要因は、natural or clean labelで、続いて glycemic indexとketo friendlyとのこと。Alluloseが、 ‘This is a true game changer’と評価。

■ Icon Foods社:http://iconfoods.com/
Icon Foods specializes in supplying the health food industry with natural alternatives to sugar.

Icon Foods社CEOによれば、今後成長が見込まれる甘味料は、以下の通り

■ Stevia:better-tasting steviol glycosidesが開発され、益々普及。Icon Foodsの最新製品RA99Mは、Reb AとReb Mの組合せ。Off-noteをマスク。大幅コストダウン、$450 /Kg.中国BioLotus社の抽出品にて、Natural。

■ Monk fruit :着実な伸び。伸びとともにコストも低下するも、まだSteviaよりも高価。stevia and monk fruitの組合せが、他のoff-noteをマスクするため一番人気。
■  Erythritol:依然としてstrong sellerで、(消費者が、sorbitol, mannitol を避けている間は)成長が見込まれる。Sugar alcohols continue to grow as fast as keto since they are the preferred keto sweeteners.
■ Coconut, agave, maple:sugar alternativesとなるnutritive sweeteners。
■■  Allulose: ‘This is a true game changer’: FDAが、no calories で no impact on blood sugarのため、”added sugar”と表記する必要がないとし、かつ、砂糖のような味と挙動を示すバルク甘味料。Icon Foods社の顧客が、ここ数カ月で、数千の新製品を発売予定。This is a true game changer in the sweetener category.
■ Eversweet (Cargill社製): 大幅なカロリー削減が可能。100%減糖には、発酵製造によるEverSweet(RebM+Reb D)を提供。スポーツ栄養市場向け飲料での関心大。歴史的に、高いタンパク質レベルによるoff-flavorsをマスクするために使われてきた砂糖に代わる効果と味。
■ Palatinose(Beneo社製): 米国で 40製品以上に使用。(血糖値に影響しない)‘slow carb’ isomaltuloseとして成長継続。chicory root fibersとしてしられていたが、ショ糖の酵素転位で製造。

 

Alluloseを true game changerとしたのは、FDAが、no calories で no impact on blood sugarであるという最近のデータを基に、”added sugar”と表記する必要がないとの判断を下したためと思われる。

FDAが、“Allulose”(日本では「希少糖」とアナウンス?)をNutrition and Supplement Facts labels(パッケージに記載されている栄養表示)のtotal and added sugarsから除外すると発表。最新データでは、alluloseは他の糖類とは異なり、ほとんどカロリーがなく(95 percent fewer calories than sucrose)、血糖値やインシュリンレベルの上昇はごくわずかで、虫歯を助長することはないと判明したので、 ‘total sugars’ or ‘added sugars’に入れなくて良いと判断したとのこと。このルール発表を、Alluloseの大手サプライヤのTate&Lyle(DOLCIA PRIMA alluloseを生産)とIngredion(松谷化学と提携。Ingredion社がメキシコでASTRAEA Alluloseを製造し、それを南北アメリカ全体に販売する予定)が歓迎しているとの記事(FDAの2016 Nutrition Factsラベルルールでは、alluloseの量は、Nutrition and Supplement Factsラベルに表示されている総炭水化物、総糖、および追加糖の量にカウントされる必要があった)。糖尿病などの病状を管理するsugar free segment(米国人口の13%)には、clean sweet taste and indulgence(甘味)を提供できる低カロリー甘味料に対する関心は大。Alluloseは、このセグメントの要望に響くだろうとのこと。

 

砂糖や炭水化物を連想させる「総炭水化物、総糖、添加した糖」といったパッケージ記載項目に量を記載していたのが、記載する必要のない量となるのは、確かに大きなこと。製造者としては、砂糖のような味と挙動を示すバルク甘味料ということであると、使いたくなると思われます。Icon Foods社の顧客が、ここ数カ月で、数千の新製品に採用しようとスタンバイしているというのも、頷ける気がします。”This is a true game changer in the sweetener category.”とするのも、尤もなこと。本当に、そのような伸びとなるのか注目です。

 

植物由来のバター代替品ファババター(FabaButter)

Fora社が開発した乳製品を使わない植物由来のバター代替品ファババター(FabaButter)の紹介記事。

 

アクアファバ(ひよこ豆を煮た後に出るタンパク質とでんぷんがたっぷり入った水)を乳化剤として使用し、味や口当たりを改善したもの。バターの脂肪たっぷりの味や舌触り、広げやすさを再現し、現在市場で販売されている乳製品不使用バター代替品とは一線を画すとしている。調理もしやすく、本物のバターと同じように焼いたり溶かしたり、塗ったりすることができるとのこと。環境や健康面での懸念から植物由来の食生活を選択する大きなトレンドの一環。ココナッツオイルのような健康的な飽和脂肪でできており、食塩の量は競合企業の半分とPR.

Fora社:https://forafoods.com/
FabaButter: https://www.kickstarter.com/projects/478829468/fababutter-michelin-star-chef-approved-dairy-free
FabaButter (動画): https://www.youtube.com/watch?v=irVjm2CdX3Q

 

Sustainabilityの視点から、益々開発に拍車がかかっている感のあるPlant-based foodsの一つとして挙げられると思います。乳化力のあるタンパク質を用いて油脂代替を製造された製品もあるので、、ひよこ豆タンパク質と澱粉を分画して、それぞれの乳化力を見てみたい気になります。第2世代の植物タンパク質として、pea proteinが着目され、大量製造されるようになってきていますが、今年は、ひよこ豆タンパク質も人気と聞きます。収穫量の多い植物タンパク質の性状や加工特性を同じ土俵で評価した報告が、何れ出てくることを期待します。1980年代なら、間違いなくそのような報告する方がおられたと思いますが、最近は、そんな研究ははやらなくなっているように感じます。

“JUST Egg”: 卵のような性状を示す素材

Just社(旧Hampton Creek社)の最初の製品“JUST Egg”は、water, mung bean protein isolate, canola oil, gums, seasoningsからなる液卵のような状態のもので、加熱・調理してスクランブルエッグのようにすることができる製品。見て、調理して、味わうとしてスタートした卵様の植物タンパク質製品。

JUST Egg – a plant-based scrambled egg alternative from Just Inc made with mung bean protein – is already outselling established liquid egg brands such as Egg Beaters (ConAgra Brands) and All Whites (Crystal Farms) in dollar sales per store in natural and conventional grocery channels, says CEO Josh Tetrick.

JUST Egg – a plant-based scrambled egg alternative from Just Inc made with mung bean protein – is rolling out nationwide at Sprouts this month and Whole Foods Market next month, says CEO Josh Tetrick, who claims the product is “largely incremental to the category.”

Whole Foods とSproutsで、five million-egg markを達成し、natural and conventional grocery channelsの15%超(母集団が不明か??)となり、液状卵の売上高を既に超えているとのこと。。世界的に従来の卵の現在の生産コストは$0.08で、そのうちの約60%は動物飼料代。2~3年以内に、Just Egg 1個当たり$0.047とするのが目標とのこと。

■ Just社:  https://justforall.com/en-us/get-just-egg
■ Sprouts(Farmers market):https://www.sprouts.com/

【現在のJust Eggの成分
Ingredients, Just Egg: Water, mung bean protein isolate, expeller-pressed canola oil, contains less than 2% of calcium citrate, enzyme, gellan gum, natural carrot extractives (color), natural flavors, natural turmeric extractives (color), onion puree, salt, soy lecithin, sugar, tetrasodium pyrophosphate, preservative (nisin, potassium sorbate).

 

Hampton Creekという社名で植物タンパク質をベースとして、卵様の製品を売りにして出発したスタートアップ。”Mayo”という植物タンパク質でできているマヨネーズのような性質を示す製品の発売でして名前が知られるようになったと記憶。いつの間にか、社名が”Just”となり、様々な卵代替製品を開発し、大きくなって行った会社の印象。土台には、各種植物タンパク質の加工特性やテクスチャーなどに関するデータベースを持っていて、製品設計・開発に役立てているとアナウンス。そのようなデータベースだけでも、価値あるように思う。一度、試して、その技術力がどの位なのか知りたいところです。

Nestle: R&D Acceleratorを創設

Nestleが、scientists, students、start-upsを一堂に会して、科学・技術を進歩させるためのR&D Acceleratorを創設とのこと。目的は、Nestleのシステムや食品・栄養に関する専門知識を活用して、革新的な製品開発のスピードアップを図るとのこと。

このconglomerateは、起業家の創造性を見出し、それを具体的な試作品や製品に変えることに注力。組織全体でのプロトタイピング機能の強化、有望なプロジェクトの発展、特定のチャネルでの実用的な市場テストの実施など、イノベーションを加速するための様々な手段を講じるとのこと。アカデミアの科学・技術についての洞察力と、innovation partnersやstart-upsの起業家的な創造性という両方の観点で推進。外部連携は戦略であり、このR&Dアクセラレータと、R&D及びビジネスチームを連携させることで、オープンイノベーションを新たなレベルに押し上げることを期待。有資格チームは、shared labs, kitchens, bench-scaleおよびpilot-scale equipmentを含めて、NestleのR&D expertiseとinfrastructureにアクセスすることができるとのこと。第1号は、2019年末までにスタート。Nestlé’s global R&D networkの一環。nutrition, health and wellnesを含むNestleのstrategic focus areasが対象。現在6チームを編成。半分はNestle team、残りが外部か混成チーム。急速に変化する消費者の嗜好に応えるために、新しいイノベーションプラットフォームと社内インキュベーターを活用して製品開発をスピードアップする施策。healthy and nutritional foodに対する新たな取り組みとして、meatからplant-basedへの移行を図るなど(plant-based productを発売するとともに、畜肉製品などを主力とするHerta社を売却予定)、イノベーションと方向転換という点で際立っている感ありとのこと。魅力的な高成長分野に向けてポートフォリオ変換を積極的に実施。Bühler, Givaudan とNestléの3社 によるthe Future Food Initiative (FFI)も共同創設、plastic-free packagingや、飢餓、栄養失調および持続可能性に取り組む計画も進行中とのこと。

The accelerator is part of Nestlé’s global R&D network and located at the company’s fundamental research entity Nestlé Research, which employs around 800 people. It also includes several units of Nestlé’s R&D organization, leading academic institutions such as the Swiss Federal Institutes of Technology in Lausanne (EPFL) and Zurich (ETHZ) and the Swiss Hospitality Management School in Lausanne (EHL) as well as a wide range of innovation partners, suppliers and start-ups.

 

じっくり読むと、Nestleの最近の顕著な方向性変換等について、概観できる記事かと思います。nutrition, health and wellnesに関係する高付加価値や成長性のある領域に注力しようとしているが、これまでのようなやり方では革新的な展開ができないということで、様々な取り組みをされているように感じます。食や健康に対する関心の度合いや要求内容が急速に変化している中、最大手と言えども模索しているのかもしれません。

“The Hatchery”(孵化場の意): 非営利のfood business accelerator 

Mondelēzが、シカゴにあるnon-profit food business accelerator “The Hatchery”(孵化場の意)に投資とのこと。

Mondelezは、自社のSnackFutures(革新的なスナックを考案する組織)やventure hubの一環として、プレバイオティックな機能性食品ブランド“Uplift Food”へ投資するなど、革新的なStart-upへの投資を計画しているとのこと。一方、“The Hatchery”は、Conagra, Griffith Foods, やKellogg’sのような大手食品会社やearly-stage food startupsのために、67,000-square-foot coworking spaceを新設。a large central shared kitchen space と multiple private kitchensがあり、food safety, packaging, financingに関するjob training とregular food industry education classesを提供。2019年に150名の雇用を創出。年に25の新会社と協力して2023年までに900名の雇用創出を図るということで、シカゴの食品コミュニティにインパクトを与えているとのこと。The Hatcheryは、“startup for startups”という位置づけとのこと。優れたStart-upを育成しているとの評価を受けている様子(少なくても、Mondelezはそう評価)。

■ The Hatchery:https://thehatcherychicago.org/
We are a non-profit food and beverage incubator dedicated to helping local entrepreneurs build & grow successful businesses.

■ SnackFutures :https://www.snackfutures.com/
Discovering and unleashing innovative ideas to lead the future of snacking
SnackFutures’ mission is aligned with Mondelēz International’s purpose of empowering people to snack right by offering the right snack, at the right time, in the right way.

■ Uplift Food:https://upliftfood.com/

■ Why Conagra and Kellogg invested in a $34M startup incubator in Chicago:
https://www.fooddive.com/news/why-conagra-and-kellogg-invested-in-a-34m-startup-incubator-in-chicago/509762/

 

The Hatcheryは、“startup for startups”という役目で機能している様子。食品関係の新事業のアイディアや技術をもっていて、企業化したいという人たちに、Start-up創設のための周辺情報や技術、場所などを提供しているNPOであると感じました。Conagra, Griffith Foods, やKellogg’sは出資していて、施設を使えるとともに、Start-upの卵に、いち早く出会えるという仕組みではと想像します。大手食品企業の出資金の一部が育成資金に充てられているのかもしれません。何れにせよ、”startup for startups”というのは、「孵化場」とい名前に相応しく、教育・支援・育成を推進しているNPOのようで、面白い存在と思いました。