発酵コハク酸

6/24に、「バイオコハク酸」という標題で、下記ブログをアップ。2週間以上経つのに、どういう訳か、このブログだけ読んで頂けない状態が続いています。もしかしたら、「バイオコハク酸」という呼称に抵抗感があるのかと思い、「発酵コハク酸」に変更してみました。どうなるか楽しみです(笑)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

DSMは、Roquette 社との合弁事業であるバイオコハク酸生産会社:Reverdia 社を解散し、生産工場などすべての権利をRoquette 社に受け渡すとのこと(2012年締結のコハク酸生産契約を解消)。Reverdia 社は、化学成分のコハク酸を初めてバイオ技術を用いて製造することに成功、大規模施設によってバイオコハク酸を商業生産する企業として、「Biosuccinium」を上市し、活動していた。

今後、DSM は独占ライセンス契約を結び、顧客の保護を図る。Reverdia はバイオコハク酸生産技術が持続可能で同市場において競争力があることを証明。Start-up段階を超え、さらに大きな成長を目指すための“Strategic shift”とのこと。カスタマーサービス、注文処理、マーケティング、販売の全事業をRoqutteに統合。現在もほてりや過敏性などの更年期障害に関連する症状を軽減するのに役立つと言われているサプリメント、食品、医薬品などの分野へ提供。最近では、皮膚科学やコスメ分野からの関心も高まっている模様。記事の後半は、DSMのStart-upsへの投資について記載されている。DSMは、skin microbiomeのS-Biomedic社(ベルギー)への投資に興味を示しているとのこと(Lactobacillus rhamnosus GG含有製品、Culturelleを含む)や、スマホアプリMixfit(遺伝子構成、食事、ライフスタイル、健康の目標)を活用したパーソナル栄養のIntelligent Nutrition Assistant (Mina)(ビタミンとミネラルのブレンドのカスタマイズされた混合物を含む飲料を提供するシステム)、アプリ活用と家庭に装備したディスペンサーでビタミン溶液を提供するTespo社、wearable, sensor, lab or health appsからdietary supplement brandsの有効性を測定するBiomarker Labs社など、50社以上への投資。母子栄養市場向けの世界で唯一のプレミックス製造施設建設の計画。BioCare社買収に伴い、microbiome-based事業を統合中とのこと。

■ S-Biomedic.:https://www.sbiomedic.com/
■ Culturelle: https://www.culturelle.com/
■ Gomixfit: https://gomixfit.com/
Mixfit’s connected countertop device, along with the Mixfit App, will change how you approach nutrition by using your personal daily data to deliver a nutrient-rich drink.
■ Tespo:https://gettespo.com/
The smartest way to take your vitamins.
■ Biomarker Labs: https://www.biomarkerlabs.com/
We build personalized nutrition platforms.
White-label solutions for forward-looking supplement brands
■ BioCare:https://www.biocare.co.uk/news/healthy-gut-healthy-you.html
Healthy Gut, Healthy You

 

発酵法で製造されるバイオコハク酸。実際の販売量が不明だが、それなりの規模になっていて、サプリメント、食品、医薬品などの分野へ提供が進んでいるとのこと。バイオコハク酸は、生分解性プラスチックの原料にもなると考えられるので、DSMが手放すのがやや不思議に感じる。記事後半にあるDSMの投資実績をみると、健康・栄養関係、特にパーソナル栄養やGut healthなどの健康事業に注力しようとしていて、選択と集中を行っているように見える。種まきをした多くのStart-upsを、どのように育成し、統合して、新しいビジネスモデルを構築していくのか注目したい。一方、バイオコハク酸事業を受け取るRoquette 社の方は、どのような絵を描いているのか想像がつかない。澱粉製品や植物タンパク質製品を主体にしている企業にみえるので、新たな柱を作ろうとしているのだろうか?こちらも、どのようなポートフォリオの会社にしようとしているのか興味深い。

DSMのパーソナル栄養

DSMはデジタルヘルスプロバイダー“Panaceutics社”と提携。health and wellnessのための“affordable” productsの上市を目指すとの記事。

DSMは、Panaceutics社の Nutrition personalized productsをAmericas, Europe、Asiaで販売し、personalized nutrition fieldでのプレゼンス強化を図るとのこと。Panaceutics社は、digital health platformsと独自のrobotic technologyを組合せて、個々人のニーズと健康状態に合わせた製品(‘gel pack’)を迅速に製造する技術を保有。personalized therapies space で、data-driven personalization(データ駆動型パーソナライゼーション)のスケールアップを目指している。ヘルスケアの新領域として、personalized medicine and nutritionを製造・供給する“one-size-fits-all” approachを提供。Panaceuticsは、日々の習慣、ゲノミクス、バイオマーカーに関するデジタルデータを組み合わせて、費用対効果の高い個々人のための製剤を調整する技術(特許保有)に基づくon-demand robotic manufacturing platform を用いて、ready-to-consume, shelf-stable packaged productをorganic food purees or gel suspensionsとして調製し、供給。DSMは、栄養ビジネスを拡大するために、US$3.4 billionを確保し、栄養分野における戦略的な資金活用を図っている。venturing portfolioは、 nutrition sector, solar, 3D printing and the biomedical materials marketsとのこと。

■ Panaceutics :https://panaceutics.com/
Personalized Formulations Produced in Innovative Forms
Flavorful Gel and Puree Combinations of Same Actives

■ Mixfit:https://gomixfit.com/

 

ゲノミクス、バイオマーカーに関するデジタルデータなどをベースにして、個々人にあった栄養成分(の組み合わせ)を導き出し、適切なもの(サプリメントなど)を提案するシステムを提供するStart-upが散見されるようになってきていると感じる。Panaceutics の場合、ゲル状で個々人のデジタルデータに基づく製品を提供する様子である。パーソナル栄養は、個々人に必要なものの特定、提供形態、製造法、嗜好性、受発注システム、配送方法、効果検証等々、いろいろな要素が必要になってくると考える。従って、1社で全てを賄うことは難しいのではないだろうか?それぞれの分野でのエキスパートが参加して初めて成立するような分野のようにも思われる。大手のDSMとPanaceutics で、どこまで「パーソナル栄養」ビジネスを確立できるのか注目したい。

IFT Food Expo 2019_雑感

米国IFT(Institute of Food Technologists)Food Expo 2019などに出席するため、2週間程留守にしており、このブログも暫く振りのアップロードになります。IFT2019のトピックスについては、下記のようなWeb記事で紹介されております。記事の内容を紹介するとともに、IFT2019を見て回ったり、スーパーマーケットなどを眺めての感想を付け加えて記載してみます。

(取り急ぎアップしようと記載しておりますので、メモ書きのようになりますこと、ご容赦ください。)

IFT 2019 review: Natural sweeteners, CBD, Fermented proteins

 

Plant-based meat, dairy and egg alternatives got top billing at the IFT annual meeting and expo in New Orleans this year, while hemp-derived CBD also made its debut, regulatory uncertainty notwithstanding… Check out part 1 of our gallery of highlights from the world’s biggest food science symposium.

 

From the latest trends in all things spicy from Kalsec and Ajinomoto’s take on the ‘sixth’ taste kokumi, to what Coca-Cola is looking for from startups as part of the IFTNEXT program, check out part 2 of our gallery of highlights from the world’s biggest food science symposium.

IFT Food Expo 2019ですが、Clean labelとPlant-based proteinが主なテーマでした。Naturalトレンドと相まって、Clean labelは、相変わらず関心の高い話題と感じます。従来の成分表示数を低減するという考え方で、Chemical soundやNegative listに列挙されているものの天然代替品や(表示フリーの)機能素材代替を紹介したり、Naturalを強調できる素材を紹介するものなど、定義がヒトによりまちまちであることを再認識。Plant-based proteinを使用しているImpossible Burgerが販売されているレストランに行くと売上好調で欠品になっているところが多い様子。Whole Foodsに行けば、Beyond Burgerが普通に、フードコーナーのハンバーガー売り場のメニューになっていました(食べてみましたが、言われなければ普通の肉のハンバーガーと変わりなしと感じました)。そのように、Plant-based proteinを使った製品が、市民権を持ち、急成長している様子で、IFT2019でも、Plant-based proteinを紹介する様々なブースが存在していました。このような状況での中国勢のキャッチアップ能力は抜群の感があります。肉代替に留まらず、卵や乳製品代替を目指した植物タンパク質開発も盛んな様子で、オート麦ベースの乳製品代替品やlentil(レンズ豆)-based proteinなど、Pea protein以外の植物タンパク質の紹介も目立っておりました。Ingredionが投資しているClara Foods社の発酵によるchicken-less egg proteinsも画期的との評価を受けている様子であり、植物タンパク質(Peaとrice protein)をキノコ菌糸を用いて発酵させたプロダクトを紹介しているMycotechnology社も注目されている様子で、植物タンパク質をFermentationで製造したり、加工するという動きも盛んになっているように感じました。また、砂糖削減のための天然甘味料を紹介するブースも多かったように感じます。Stevia関係では、ASR(Sweet Essence M)、ADM(SweetRight Edge)、およびSGF(SteviAroma)がソリューションを含めて紹介。Alluloseが、「加糖」表示は必要ないとするFDA判断が下されたことで、Tate&Lyle、Ingredion(松谷化学との提携)、Apura Ingredientsなどのサプライヤーが、有望な甘味料として提示。大麻(Hemp)由来成分のCBDを紹介するブースも多く存在し、今年のトレンド素材となっているのも頷けると感じました。ただ、FDAが、CBDは違法と考えている様子にて、5/31に開催されたCBDに関する公聴会を皮切りに、今後、レギュレーション論議がなされる中で、この勢いがどうなるかが決まってくると思われました。

Clean labelとPlant-based foodsに関するトレンドが今暫くは継続、あるいは、定着化するだろうと感じた展示会でした。

“Clean label”の定義とは?

“Clean label”の定義論議に関する記事。食品コンサルのHartman社によれば、結論は、one singular definitionはなく複雑で多次元的だが、大まかに言えば、clean foodsは、「できるだけ自然の状態に近いもの」ということで、消費者のgolden standardになっているとのこと。

Clean labelについて、”Fresh, real, and less processed”が互換的に使用される言葉。消費者は、products free-from additives and artificial ingredientsを求めており、購入品に使用された成分を把握することが重要と考えている(米国消費者 78%)。しかし、次第に、特定の健康強調表示、製造業者/ブランド、および原産国/地域などにも拡大してきている(成分⇒製法⇒製造者・・・・・)。”Anything that they (消費者が)don’t recognize, understand, or think is necessary ends up in that unclean space.”(わからないものは、全てuncleanとするという意味か?)。このようなclean trendは、 ‘kitchen level’ ingredientsに向かっている模様。clean labelの共通理解(the fewer ingredients the better. 成分数が少ない方のが良い)は変化しており、数に対しては柔軟。例えば、Kelloggの“Take Kashi’s fire roasted frozen quinoa bowls ”は、20種の成分から成るが、全てwell-stocked kitchenにあるもので、‘kitchen level’ ingredients.。例外もあり、almond milkのようなplant-based dairy alternativesは、carrageenanや sunflower lecithinなどたくさんの素材を含んでいても受け入れられている。基本的にplant-based thingsで、従来よりもmore healthier and sustainable alternativesであれば良い様子。メーカーは、new processing and production technologicalを開発し、どう市場が反応するのかを見るという「推測ゲーム」をしている状況とのこと。’clean’ is always evolving.”

■ Hartman Group :https://www.hartman-group.com/
We Translate Consumer Behavior and Food & Beverage Culture Into Growth Opportunities For Our Clients

■ the most accepted ingredients: natural flavors (59%), natural colors (57%), flour (55%), vegetable oil (50%), and sugar (50%).
■ Moderately accepted ingredients:antioxidants (48%), corn starch (41%), whey protein (37%), soy protein (36%), and gelatin (32%).
■ chemical-sounding name : hydroxypropyl methylcellulose (HPMC), microcrystalline cellulose (MCC), carboxymethyl Cellulose (CMC), caseinate, monosodium glutamate (MSG).⇒これらは、’no-fly’ list(搭乗拒否リストから転じて、negative listの意味で使用している様子)に掲載されているとのこと。

 

Clean label認証マークを与えたり、ingredient名からCleanか否かを判断する以下のようなサイトなども存在します。
 ■ Clean label certification project:https://www.cleanlabelproject.org/certification/
 ■ GoCleanLabel Cerified: https://gocleanlabel.com/

しかし、Clean labelという言葉でイメージすることが、人や組織・団体によって異なり、定義するには矛盾に満ちている様子が記述されていると感じました。従って、当初の「(表示に記載されている)成分数が少ない方が良い。」という共通理解は、時とともに変化したり、拡大してきているのだと思われます。「自然」・「天然」だから、安全で体に良いとは限らないと思います。長い歴史の中で、食するのに適する加工法や調理法が開発されたり、役割の分担化に伴い、食品の保存や流通が必要となり、それに伴い、安全性を確認しながら、安定性、保存性、味・香気・食感の改良などを行うための成分が開発されてきた。それらが、「自然っぽく」ないというだけで、全て否定してしまうのは疑問が残ります。‘kitchen level’ ingredientsのみに固執するのではなく、科学的な視点に立って、これまで使われてきたその他の成分も上手に使いこなしてもよいのではと考えます。