「Acrylamide Toolbox 2019」(第15版)

FoodDrinkEurope(FDE)は、様々な食品中でのアクリルアミド生成やその低減に関する知識を集録した「Acrylamide Toolbox」(第15版)を発行してきた。2018年EUのアクリルアミド規制(製品中のアクリルアミド量の調査・削減を義務化した法律)施行に対応して、研究レベルから工業規模の食品加工までの新たな科学的および技術的知見を追記した最新版を発刊とのこと。

食品・飲料業界とEU各国当局間の15年以上の協力で、アクリルアミドの生成経路と曝露量を低減する介入ステップを検討するという業界の継続的な取り組みの成果物。コーヒーなど、特定の製品カテゴリーにおけるアクリルアミドの形成を防止および減少させる可能性があるさまざまな介入ステップが紹介されているとのこと。

■ Acrylamide Toolbox 2019 : https://www.fooddrinkeurope.eu/uploads/publications_documents/FoodDrinkEurope_Acrylamide_Toolbox_2019.pdf

■ 主たる変更点:

1. potato-based snacksとフライドポテト用のツールの徹底的な区別。
2. コーヒーとコーヒー代用品(主に穀物とチコリをベースにしたもの)を別カテゴリーとする。
3. 分析とサンプリングの方法の改訂。
4. 特定の食品中のアクリルアミドの分析方法に関する欧州委員会規則およびCEN標準化作業に基づいた分析要件。
5. 欧州委員会規則(EU)2017/2158を実行するためのガイダンス
6. 研究開発資源が限られている中小企業を含む個々の製造業者を支援する内容。

■ FoodDrinkEurope(FDE): https://www.fooddrinkeurope.eu/

 

成分と製法の関係で、アクリルアミド含有量が多くなりそうな製品カテゴリー毎に、アクリルアミドの低減方法についてレシピやプロセスでの留意点が記載されている。欧州に輸入されるものについても法律の対象になっており、アクリルアミドを低減するよう努めなければならない状況にて、参考になるツールだと思われる。米国でも、スターバックスが、アクリルアミド問題で訴訟となっているようなので、注意や配慮が必要と思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

アクリルアミド低減酵母_その2

予てからアナウンスされていたように、KerryがRenaissance BioScience社のアクリルアミド低減酵母“Acryleast”を発売とのこと。

予想された通り、アクリルアミド発生の要因となるアスパラギンをアスパラギン酸に加水分解する酵素であるasparaginaseが豊富なclean-label  non-GMO yeastで、アクリルアミドを最大90%まで低減可能とのこと(基準不明)。製品名”Acryleast”。ビスケット、クラッカー、フライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、乳児用食品など、さまざまな食品および飲料製品に適用可。さらたpackaged foodsに許容されるアクリルアミド量を制限、製造業者に製品中のアクリルアミド量を調査・削減するよう定めた20184月施行されたEUのアクリルアミド規制やCalifornia Prop 65 warningを念頭においた上市。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、中国の規制当局もまたアクリルアミドの食事リスクや管理リスクを食品企業と調査、検討中。Kerryは、a from food, for food philosophyで、消費者にnatural solutionsを提供しようとしているとのこと。Acryleastは製造工程に全くあるいは最小限の変更だけで、風味、香り、食感には何の影響も与えない点もポイント。

■  acrylamide is a natural byproduct of cooking starch rich food at high temperatures, there is a growing body of evidence that it is a potential carcinogen.

  Our laboratory and sensory analyses have demonstrated that foods produced using Acryleast are comparable in appearance, aroma, flavor and texture to those produced without Acryleast.

  For customers looking for peace of mind and a more natural, non-GMO, sustainable solution to a naturally occurring problem, Acryleast is a natural and clean-label solution.

NovozymesやDSMから、アクリルアミド低減酵素Asparaginaseが、既に発売されている。Acryleastは、酵母中のasparaginaseの活性量を高めたものと思われる。 酵素自体ではない分、安価で、発酵法での製造とすることでNatural感を出すことが狙いなのだろうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

アクリルアミド低減酵母

Kerryが、Self affirmed GRASを取得しているRenaissance BioScience Corp社のnon-GMO acrylamide-reducing yeast enzyme, “Acryleast”について、ライセンス契約を締結とのこと。2019年Q1発売予定。Acryleastは、ビスケット、クラッカー、フライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、幼児食品などの食品や飲料製品のアクリルアミドを最大90%まで減らす天然の非GMO酵母由来酵素。EUにおける2018年4月施行のアクリルアミド規制(packaged foods中のアクリルアミド量の制限と製造業者が製品中のアクリルアミドを厳密に検査し低減することを定めた法律)への対応。baked goods, snacks and processed potatoesでのAcryleastのアプリケーション開発に注力する目論見。no impact on flavor, aroma and textureとのこと。

■ Renaissance BioScience Corp. (RBSC) http://www.renaissancebioscience.com/
Renaissance BioScience Corp. develops proprietary yeast-based technology solutions for food and beverage manufacturers worldwide. Our current products include commercially available yeast strains that prevent the formation of two separate and significant naturally occurring contaminants: acrylamide in carbohydrate-rich foods and coffee, and hydrogen sulfide in wine, beer and cider.

■ Acrylamide management is becoming a big concern for the industry.
 This license agreement is quite timely given new EU acrylamide regulations, which came into effect in April 2018, marking the beginning of the law which limits the amount of acrylamide allowed in packaged foods and forces manufacturers to closely examine and reduce acrylamide levels in products.

これまでの報道では記載がなかったが、“Acryleast”の技術ポイントは、アクリルアミド発生の原因となるAsnのAspへの加水分解を触媒する酵素Asparaginaseの活性が高い酵母ということであろうと思われます。