IFT Food Expo 2019_雑感

米国IFT(Institute of Food Technologists)Food Expo 2019などに出席するため、2週間程留守にしており、このブログも暫く振りのアップロードになります。IFT2019のトピックスについては、下記のようなWeb記事で紹介されております。記事の内容を紹介するとともに、IFT2019を見て回ったり、スーパーマーケットなどを眺めての感想を付け加えて記載してみます。

(取り急ぎアップしようと記載しておりますので、メモ書きのようになりますこと、ご容赦ください。)

IFT 2019 review: Natural sweeteners, CBD, Fermented proteins

 

Plant-based meat, dairy and egg alternatives got top billing at the IFT annual meeting and expo in New Orleans this year, while hemp-derived CBD also made its debut, regulatory uncertainty notwithstanding… Check out part 1 of our gallery of highlights from the world’s biggest food science symposium.

 

From the latest trends in all things spicy from Kalsec and Ajinomoto’s take on the ‘sixth’ taste kokumi, to what Coca-Cola is looking for from startups as part of the IFTNEXT program, check out part 2 of our gallery of highlights from the world’s biggest food science symposium.

IFT Food Expo 2019ですが、Clean labelとPlant-based proteinが主なテーマでした。Naturalトレンドと相まって、Clean labelは、相変わらず関心の高い話題と感じます。従来の成分表示数を低減するという考え方で、Chemical soundやNegative listに列挙されているものの天然代替品や(表示フリーの)機能素材代替を紹介したり、Naturalを強調できる素材を紹介するものなど、定義がヒトによりまちまちであることを再認識。Plant-based proteinを使用しているImpossible Burgerが販売されているレストランに行くと売上好調で欠品になっているところが多い様子。Whole Foodsに行けば、Beyond Burgerが普通に、フードコーナーのハンバーガー売り場のメニューになっていました(食べてみましたが、言われなければ普通の肉のハンバーガーと変わりなしと感じました)。そのように、Plant-based proteinを使った製品が、市民権を持ち、急成長している様子で、IFT2019でも、Plant-based proteinを紹介する様々なブースが存在していました。このような状況での中国勢のキャッチアップ能力は抜群の感があります。肉代替に留まらず、卵や乳製品代替を目指した植物タンパク質開発も盛んな様子で、オート麦ベースの乳製品代替品やlentil(レンズ豆)-based proteinなど、Pea protein以外の植物タンパク質の紹介も目立っておりました。Ingredionが投資しているClara Foods社の発酵によるchicken-less egg proteinsも画期的との評価を受けている様子であり、植物タンパク質(Peaとrice protein)をキノコ菌糸を用いて発酵させたプロダクトを紹介しているMycotechnology社も注目されている様子で、植物タンパク質をFermentationで製造したり、加工するという動きも盛んになっているように感じました。また、砂糖削減のための天然甘味料を紹介するブースも多かったように感じます。Stevia関係では、ASR(Sweet Essence M)、ADM(SweetRight Edge)、およびSGF(SteviAroma)がソリューションを含めて紹介。Alluloseが、「加糖」表示は必要ないとするFDA判断が下されたことで、Tate&Lyle、Ingredion(松谷化学との提携)、Apura Ingredientsなどのサプライヤーが、有望な甘味料として提示。大麻(Hemp)由来成分のCBDを紹介するブースも多く存在し、今年のトレンド素材となっているのも頷けると感じました。ただ、FDAが、CBDは違法と考えている様子にて、5/31に開催されたCBDに関する公聴会を皮切りに、今後、レギュレーション論議がなされる中で、この勢いがどうなるかが決まってくると思われました。

Clean labelとPlant-based foodsに関するトレンドが今暫くは継続、あるいは、定着化するだろうと感じた展示会でした。

“Clean label”の定義とは?

“Clean label”の定義論議に関する記事。食品コンサルのHartman社によれば、結論は、one singular definitionはなく複雑で多次元的だが、大まかに言えば、clean foodsは、「できるだけ自然の状態に近いもの」ということで、消費者のgolden standardになっているとのこと。

Clean labelについて、”Fresh, real, and less processed”が互換的に使用される言葉。消費者は、products free-from additives and artificial ingredientsを求めており、購入品に使用された成分を把握することが重要と考えている(米国消費者 78%)。しかし、次第に、特定の健康強調表示、製造業者/ブランド、および原産国/地域などにも拡大してきている(成分⇒製法⇒製造者・・・・・)。”Anything that they (消費者が)don’t recognize, understand, or think is necessary ends up in that unclean space.”(わからないものは、全てuncleanとするという意味か?)。このようなclean trendは、 ‘kitchen level’ ingredientsに向かっている模様。clean labelの共通理解(the fewer ingredients the better. 成分数が少ない方のが良い)は変化しており、数に対しては柔軟。例えば、Kelloggの“Take Kashi’s fire roasted frozen quinoa bowls ”は、20種の成分から成るが、全てwell-stocked kitchenにあるもので、‘kitchen level’ ingredients.。例外もあり、almond milkのようなplant-based dairy alternativesは、carrageenanや sunflower lecithinなどたくさんの素材を含んでいても受け入れられている。基本的にplant-based thingsで、従来よりもmore healthier and sustainable alternativesであれば良い様子。メーカーは、new processing and production technologicalを開発し、どう市場が反応するのかを見るという「推測ゲーム」をしている状況とのこと。’clean’ is always evolving.”

■ Hartman Group :https://www.hartman-group.com/
We Translate Consumer Behavior and Food & Beverage Culture Into Growth Opportunities For Our Clients

■ the most accepted ingredients: natural flavors (59%), natural colors (57%), flour (55%), vegetable oil (50%), and sugar (50%).
■ Moderately accepted ingredients:antioxidants (48%), corn starch (41%), whey protein (37%), soy protein (36%), and gelatin (32%).
■ chemical-sounding name : hydroxypropyl methylcellulose (HPMC), microcrystalline cellulose (MCC), carboxymethyl Cellulose (CMC), caseinate, monosodium glutamate (MSG).⇒これらは、’no-fly’ list(搭乗拒否リストから転じて、negative listの意味で使用している様子)に掲載されているとのこと。

 

Clean label認証マークを与えたり、ingredient名からCleanか否かを判断する以下のようなサイトなども存在します。
 ■ Clean label certification project:https://www.cleanlabelproject.org/certification/
 ■ GoCleanLabel Cerified: https://gocleanlabel.com/

しかし、Clean labelという言葉でイメージすることが、人や組織・団体によって異なり、定義するには矛盾に満ちている様子が記述されていると感じました。従って、当初の「(表示に記載されている)成分数が少ない方が良い。」という共通理解は、時とともに変化したり、拡大してきているのだと思われます。「自然」・「天然」だから、安全で体に良いとは限らないと思います。長い歴史の中で、食するのに適する加工法や調理法が開発されたり、役割の分担化に伴い、食品の保存や流通が必要となり、それに伴い、安全性を確認しながら、安定性、保存性、味・香気・食感の改良などを行うための成分が開発されてきた。それらが、「自然っぽく」ないというだけで、全て否定してしまうのは疑問が残ります。‘kitchen level’ ingredientsのみに固執するのではなく、科学的な視点に立って、これまで使われてきたその他の成分も上手に使いこなしてもよいのではと考えます。

植物由来の天然赤色色素 (Carmine alternative )

Chr. Hansen(Commercial Development, Natural Colors Division)が、10年間にわたる伝統的な育種プログラムの結果、昆虫(コチニールカイガラムシ)由来の天然赤色色素であるcarmineに代わるnatural red alternativeを産生するサツマイモ新品種Ipomoea batatasを商品化。このサツマイモ由来色素製品4種を発売予定(① A powder. ② A more pinkish-red, cost-effective blend with more black carrot inside. Two blends with safflower which produce: ③ A bright tangerine orange and; ④ A red with a more orange tone.)とのこと。

natural colorの需要増に伴うcontingency plans(緊急時対応策の意か?)となるため、ラテンアメリカでの通年収穫の生産とし、需要予測に合わせて毎月の生産計画を微調整することも可とのこと。育種された後、取扱い、運搬法、抽出法などを完成させ、植物を基調とした鮮やかな赤色色素が得られ、carmineや合成色素に代わる天然代替品とすることができたとのこと。Carmineなしでは、off-tasteするリスクなしに作ることができなかったfire-engine red colorを作り出すことができるようになったとのこと。表示は、米国では“vegetable juice (color).”  EUと残りの国々では“sweet potato concentrate”となる。多くのアントシアニン類は、pHの影響大だが、この色素は、他のアントシアニンに比して安定。精製品は、bright red でブレンドで様々な色を作ることが可。“Color is key in food, not only of flavor and quality, but also of emotions and feelings.” Clean labelトレンドは継続しており、「Clean lable」で13%のCAGR。Clean label製品は、2017年の世界の新規飲食品発売の29%。食品・飲料メーカーは、このトレンドに合わせて製品開発をする clean label strategy をとっている。他方、Chr. Hansenは、 carmineの世界No.1サプライヤーでもある。Carmineは、昆虫由来の最も安定なbright red and pink colorの供給源。昆虫食に対する理解が深まれば、これまで以上に普及する可能性もあるとChr. Hansenは見ているとのこと。

 

Natural, Clean label, Plant-basedといったトレンドがここ数年続いている。sustanabilityの観点も加わるため、植物性の天然素材が好まれている。伝統的な育種法を用いて、10年かけて開発したとのこと。non-GMOとしたいという想いもあったのだろうと思う。”Natural Colors Division”という部署名をかけての開発だったのかもしれない。自然のものが、全て安全で、体に良いとする考え方には落とし穴があるように思うが、自然に学び、活用することは重要と考える。Chr. Hansenの地道な努力に拍手したい。

 

アクリルアミド低減酵母_その2

予てからアナウンスされていたように、KerryがRenaissance BioScience社のアクリルアミド低減酵母“Acryleast”を発売とのこと。

予想された通り、アクリルアミド発生の要因となるアスパラギンをアスパラギン酸に加水分解する酵素であるasparaginaseが豊富なclean-label  non-GMO yeastで、アクリルアミドを最大90%まで低減可能とのこと(基準不明)。製品名”Acryleast”。ビスケット、クラッカー、フライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、乳児用食品など、さまざまな食品および飲料製品に適用可。さらたpackaged foodsに許容されるアクリルアミド量を制限、製造業者に製品中のアクリルアミド量を調査・削減するよう定めた20184月施行されたEUのアクリルアミド規制やCalifornia Prop 65 warningを念頭においた上市。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、中国の規制当局もまたアクリルアミドの食事リスクや管理リスクを食品企業と調査、検討中。Kerryは、a from food, for food philosophyで、消費者にnatural solutionsを提供しようとしているとのこと。Acryleastは製造工程に全くあるいは最小限の変更だけで、風味、香り、食感には何の影響も与えない点もポイント。

■  acrylamide is a natural byproduct of cooking starch rich food at high temperatures, there is a growing body of evidence that it is a potential carcinogen.

  Our laboratory and sensory analyses have demonstrated that foods produced using Acryleast are comparable in appearance, aroma, flavor and texture to those produced without Acryleast.

  For customers looking for peace of mind and a more natural, non-GMO, sustainable solution to a naturally occurring problem, Acryleast is a natural and clean-label solution.

NovozymesやDSMから、アクリルアミド低減酵素Asparaginaseが、既に発売されている。Acryleastは、酵母中のasparaginaseの活性量を高めたものと思われる。 酵素自体ではない分、安価で、発酵法での製造とすることでNatural感を出すことが狙いなのだろうと思います。