Tagatose :a low-calorie, low-glycemic sweetenerの新製法

Illinois大が開発した、lactoseを出発物質にして、tagatose (a low-calorie, low-glycemic sweetener)に変換するよう設計された酵母株は、低GI甘味料の実用化の鍵となるかもしれないとの記事。

Tagatoseは、ショ糖とほぼ同じ味と食感で、カロリーはショ糖の40%、加えて血糖値をショ糖やフラクトース程上げないという機能あり(G値:Tagatose  3. ショ糖 68.フラクトース 24)。これまでは、galactoseをtagatoseに変換するmulti-step enzymatic processでの製造。酵素反応は、非効率的で、変換率30%。製造コストが高くなり、商業化されていないとのこと。Lactose⇒tagatose変換するよう設計。①lactose代謝で、cellular fuelとしてgalactoseを使用する酵母を育種。② galactose⇒tagatose変換に必要な2遺伝子を挿入。90% tagatose溶液として製造可。酵素プロセスに比して、大規模に処理することが可能。Greek yogurt製造で、大量のwhey wasteが出る。このwhey waste中のlactoseを間接的に使用可で、大幅コストダウンが期待できるとのこと。

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■ 本内容に関する論文:https://www.nature.com/articles/s41467-019-09288-6

Overcoming the thermodynamic equilibrium of an isomerization reaction through oxidoreductive reactions for biotransformation

Nature Communications volume 10, Article number: 1356 (2019)

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Nature communicationsに掲載されたIllinois大の論文内容に関する記事。Tagatoseは、低カロリー・ショ糖食感機能代替、低GI素材として、以前から多くの報告があるように思われる。大量・安価に得られるならば、利用価値大と考えられるが、コストがネックになっていた様子。大学のみの仕事で、まだ大量生産できる状態にはなさそう。また、Lactose(=Glucose+Galactose)は余剰原料であるwhey wasteから得られるとして、分子育種したパン酵母を作用させると、GlucoseとGalactoseに分解。生成したGlucoseが、Tagatoseに効率良く変換される。しかし、片割れのGalactoseは捨てることになるので、本当に安価に製造可なのか疑問が残る。トータルでの採算性を示して欲しいところです。

アクリルアミド低減酵母_その2

予てからアナウンスされていたように、KerryがRenaissance BioScience社のアクリルアミド低減酵母“Acryleast”を発売とのこと。

予想された通り、アクリルアミド発生の要因となるアスパラギンをアスパラギン酸に加水分解する酵素であるasparaginaseが豊富なclean-label  non-GMO yeastで、アクリルアミドを最大90%まで低減可能とのこと(基準不明)。製品名”Acryleast”。ビスケット、クラッカー、フライドポテト、ポテトチップス、コーヒー、乳児用食品など、さまざまな食品および飲料製品に適用可。さらたpackaged foodsに許容されるアクリルアミド量を制限、製造業者に製品中のアクリルアミド量を調査・削減するよう定めた20184月施行されたEUのアクリルアミド規制やCalifornia Prop 65 warningを念頭においた上市。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、中国の規制当局もまたアクリルアミドの食事リスクや管理リスクを食品企業と調査、検討中。Kerryは、a from food, for food philosophyで、消費者にnatural solutionsを提供しようとしているとのこと。Acryleastは製造工程に全くあるいは最小限の変更だけで、風味、香り、食感には何の影響も与えない点もポイント。

■  acrylamide is a natural byproduct of cooking starch rich food at high temperatures, there is a growing body of evidence that it is a potential carcinogen.

  Our laboratory and sensory analyses have demonstrated that foods produced using Acryleast are comparable in appearance, aroma, flavor and texture to those produced without Acryleast.

  For customers looking for peace of mind and a more natural, non-GMO, sustainable solution to a naturally occurring problem, Acryleast is a natural and clean-label solution.

NovozymesやDSMから、アクリルアミド低減酵素Asparaginaseが、既に発売されている。Acryleastは、酵母中のasparaginaseの活性量を高めたものと思われる。 酵素自体ではない分、安価で、発酵法での製造とすることでNatural感を出すことが狙いなのだろうと思います。